昨日、人生で二回目の手術を受けて来ました。
と言っても、日帰り手術です。病院は毎月の診察(脳腫瘍/グリオーマ)でお世話になっている東京女子医科大学病院。でも今回は、いつもの脳神経外科/放射線科ではなく、皮膚科です。
右腕にできた「皮膚線維腫」という、しこりというかホクロのようなものを切除してもらいました。皮膚線維腫の説明はこちら↓。
直径1cmほどの黒褐色の皮膚のしこりです。皮膚表面から隆起していることもあります。四肢(しし)によくでき、ときには多数できます。皮膚内の線維成分が局所で増殖するためで、しこりとして感じられます。
【治療】局所麻酔をして、腫瘍を切除します。悪性化することはないため、たくさんできてもすぐには治療せず、経過をみることがあります。
僕の皮膚線維腫は、右腕の肘の少し下にできました。遠目に見るとこんな感じ。
もう少しアップの写真はこちら。
このように、一見ホクロです。でもちょっと盛り上がって少し固くなっています。
これは数年前から存在していたのですが、一昨年、グリオーマの手術を受けてから、特に気になりだしました。「まさか皮膚がんじゃないよね・・・」という心配です。また固くなって隆起しているため、たまにこすれて出血するので、「その刺激でがん化したりして・・・」と気になっていました。
だから数ヶ月前から近所の皮膚科で診てもらっていました。最初に診察してもらったときから「皮膚線維腫という良性のできもので、悪性化することはありませんよ。そのままにしておいて問題ありません。でも気になるようであれば、日帰り手術で取ることもできます」と言われていました。
でも、グリオーマを経験したこともあり、がんのリスクになる要因をできるだけ排除したいという思いもあって、手術で取ってもらうことにしました。
昨年の10月に、外来で女子医大の皮膚科を受診したところ、やはり診断は皮膚線維腫ということで、日帰り手術の予約をしました。が、予約が立て込んでいるらしく、予約が取れたのがなんと4ヶ月後の2月。
ということで、昨日、日帰り手術に行ってきました。
受付後、ケアルーム(処置室)のベッドに寝かされます。カーテンで区切られただけのベッドです。看護師さんに腕の毛を剃毛(ハサミでチョキチョキ)され、いよいよ手術です。若い女医さんが二人でやってくれました。ちなみに皮膚科は女医さんばかりです。脳神経外科では女医さんは見たことがありません。
まずは麻酔の注射。「この注射だけはちょっと痛いですよ」と言われましたが、注射慣れした僕には大したことありません(笑)。が、何本か注射を打った後に「これ、痛いですか?」と何かで皮膚を突かれて麻酔の効きを確認するんですが、なかなか「大丈夫です」とならず、何度も「あ、痛いです」と答えることに。その度に「麻酔、追加しましょうねー」と注射されます。何度か繰り返して、ようやく突かれても痛くなくなりました。「僕、麻酔の効きが悪いんですかね?」と先生に聞いたら、「まあ、個人差がありますから」とのこと。まあそりゃそうですね。
麻酔が効いたのでようやく手術開始。でも、さすがに自分の腕が切り開かれるのを直視する勇気はなく、ずっと天井を見つめていました(汗)。まあ、電気メスを使うために金属類を身体から外す必要があり、メガネも外していたので、見ようとしても見えないわけですが。
ちなみに手術のイメージはこんな感じです。最初の診察の際に先生が書いて説明してくれた図です。
このように、皮膚線維腫を中心に、葉っぱというか舟というかの形に切除し、縫い合わせます。術後は一本の線になって跡が残ります。手術の前に、「縦に切りますか?横に切りますか?」と聞かれて、しばらく先生と話した結果、なんとなく横に切ってもらいました。
手術中は麻酔が効いているので、全く痛みも何も感じません。当たり前ですが。そうじゃないと困ります。先生は「固くならずに、リラックスしてくださいねー」とか、「もう取れましたからねー」とか、「これから縫いますからねー。これからの方が時間がかかりますよー」とか、随時声をかけてくれます。
実際、縫う時の方が時間がかかりました。グリオーマの手術の時のように、ホチキスでバチバチではなく、糸で塗っているようでした。皮膚の内側を、自然に溶ける糸で縫い、外側を別の糸で縫い、という感じのようでした。
縫い終わって、患部にガーゼを当ててテープで留めてもらい、それで手術は終了です。所要時間は40分程度でした。
術後の患部はこんな感じになっています。
注意事項として、「今日は飲酒とシャワーは控えてください」とのこと。飲酒は出血のリスクを高めるため禁止のようです。シャワーは翌日からOKです。当面の注意事項はこちら。
「明日はガーゼをはがして普通にシャワーを浴びて、患部を石鹸で洗ってください」とのこと。特に消毒等は必要なく、シャワーの後はガーゼを当ててテープで留めておくだけでよいようです。意外と簡単。そして一週間後に抜糸のために再度受診することになります。
また、感染症予防のための抗生物質と、いざというときのための痛み止めが処方されました。が、「恐らく痛みは出ないでしょう」とのこと。実際、昨日は、麻酔が切れたはずの頃にも全く痛くありませんでした。ただ、夜寝ているうちに少し痛み出し、今朝起きて見たら、ガーゼに少し血が滲んでました。今日は腕を動かすと少し痛みます。でも痛み止めを飲むほどではありませんね。動かさなければほとんど痛みませんので。
今朝の写真はこちら。若干血が滲んでいます。
この皮膚線維腫の日帰り手術にかかった費用は、一万円ちょっとでした。普通に保険適用となる手術なので、この金額が自己負担額(3割負担)です。この金額のうち、約半分が手術、残り半分が病理診断の費用とのこと。摘出した腫瘍は念のため病理検査に回されます。まあ見た目で皮膚線維腫とほぼ診断がついており、悪性ということはほぼないようですが。
なお、昨日は手術が終わり、会計をした後は、普通に電車で帰りました。
しかし、この局部麻酔による日帰り手術は、自分の意識がある状態での手術ということで、ある意味、脳腫瘍(グリオーマ)摘出手術より怖かったです。頭の手術の時は、麻酔をかけられて寝てる間に終わりましたからね。今回の手術中、女医さんからは「リラックスしてくださいね。固くなってますよ」と何度か言われましたが、なかなか難しかったです(笑)。でも終わってみるとあっという間ですね。
ということで、皮膚線維腫の日帰り手術は、なかなか貴重な体験でした(笑)。
【2013年2月8日 19:40追記】
先ほど術後初めてガーゼを外し、シャワーを浴びて患部を洗ってみました。思いのほか痛くなく、普通に石鹸で洗えました。
シャワー後の患部の写真です。縫合の跡がちょっとグロテスクなので、画像は直接貼らずにリンクだけ。
▼皮膚線維腫の日帰り手術翌日の患部。縫合の跡。(写真)
私も同じようなものが以前でき、形成外科で取ってもらいました。
良性とのことでしたが、最初ほくろかと思っていたのでびっくりしました。
はじめまして。同じグリオーマにて女子医大・丸山先生に
お世話になり、この2月末で術後3年が経過する者です。先日たまたま高山さんのブログをみつけました。同じ思いを持ち、同じ様にMRI場所を間違えたり・・・。共感できるところが多々ありでいつかお会いしたいと思っていました。実は今日2ヶ月振りの検診で病院に行きましたが、似たような方をお見受けし声をかけようと立ち上がった瞬間、私の番号が点灯したため諦めました。(待ち時間が最近は短くなりましたが、それでも長い・・・)次回4月6日MRIを撮ってから15時位に2Fに行きます。運が良ければお会いできますかね?まあそのうちお会い出来るでしょう、その際はお声を掛けさせて頂きますね。
starfieldさん、そうでしたか。やはり気になるので、取ってもらうのがいいですよね。
やまぎしさん、そうでしたか、同じ丸山先生の患者仲間ですね!3年が経過とのこと、また一つの区切りになりますね。3年が経過したら次の区切りは5年でしょうか。僕はようやく1年7ヶ月です。
しかも、昨日すれ違っていたとは!ぜひ次回はお声がけください。僕は今、毎月の診察と、2ヶ月に1回のMRIというペースです。次回以降は3月12日(火)、4月9日(火)、5月7日(火)、6月4日(火)という感じです。タイミングが合えばぜひお会いしましょう!
繊維腫の検索でたどり着きました。非常に役に立つ情報をありがとうございます。ブログ応援しております!
さとうさん、コメントありがとうございます!
無理せずやっていきます!
はじめまして。検索で、こちらにきました。
お尻に、線維しゅができ、オペをします。
やはり、取ったほうが、すっきりします。
取った方がすっきりするというお気持ち、よく分かります。
4年ほど前からひざ上に線維種ができ、手術しようかどうか悩んでいました。
こちらの記事を拝見し、やはり取ろう!と決心がつきました。
大変ためになる情報ありがとうございます。
wadaさん、お役に立てたようでよかったです。
気になるのであれば取ってしまった方が安心できますよね。