前回の闘病記からの続きです。
◼︎2013年6月15日(土)。入院34日目。抗がん剤治療開始から26日目。
入院後、初めての外泊で前日の夕方に帰宅し、一晩明けた土曜日。
布団から起き出したのは11時近く。
病院に入院していると、朝は7時前から検温やら体重測定やら何やらで看護師さんに起こされます。しかも、僕がいた病棟は重篤な患者さんもいたため、夜中も他の病室やナースステーションからのいろいろな電子音がうるさく、眠りは浅くなりがちです。こんなにゆっくり、ぐっすり眠れたのは本当に久しぶりでした。
この日は一日、久しぶりの我が家で、家内と娘と3人でのんびり過ごしました。
食欲は戻っていたため、カツサンドを食べたり、
前日にオーシャンブリッジのオフィスでもらってきた、イベントのお土産のどら焼きを食べたり、娘と遊んだりして過ごしました。
夕飯は、僕のリクエストで、家内にラザニアを作ってもらいました。
◼︎2013年6月16日(日)。入院35日目。抗がん剤治療開始から27日目。
あっという間に二泊三日の外泊も最終日です。夕方には虎の門病院に戻らねばなりません。
朝起きると、寝室の窓の外から鳥の鳴き声が聞こえ、庭越しに近所の人の話し声が聞こえました。リビングに入ると、窓から太陽の光があふれていました。
「やっぱり、自分の家がいいなあ」と心から思いました。
この日は、自分では全く認識していなかったのですが、父の日でした。夕方、家を出て病院に向かう前に、娘がプレゼントを持ってきてくれました。
家内と2人で書いてくれたこのメッセージを僕のところにトコトコと持ってきて、
「パパ、病院がんばってね!」
と言って渡してくれました。家内からそう言うように言われたわけでもないのに、当時3歳の娘にそう応援され、びっくりするとともに、「子供は親が思う以上にいろいろ分かっているんだなあ」と感心し、感激してしまいました。
それからタクシーに乗って、虎の門病院に向かいました。家内と娘も一緒に来てくれました。もう病院食を食べるのが辛くなっていたため、運転手さんに途中でコンビニに寄ってもらい、夕飯用にスパゲティを買いました。
病院に着いてから、娘にもらったメッセージを、病室の枕元に飾りました。
家族と離れ、また病院に来るのは非常に寂しかったのですが、家では久しぶりに娘と遊ぶことができ、また家内の手料理をお腹いっぱい食べることができ、翌日から再開する抗がん剤治療に向けてパワーを充電できました。
明日からまたがんばろう、と意を新たにしました。