合成麻薬フェンタニルの点滴で痛みをコントロール/副作用で物忘れ/ビールに見える点滴:白血病・悪性リンパ腫闘病記(70)

前回の闘病記からの続きです。
入院中の血小板やカリウムの点滴


◼︎2013年8月29日(木)。入院109日目。抗がん剤治療開始から101日目。
朝、担当医のMY先生と話しました。
前日の発熱や帯状疱疹の痛みについて話した後、治療方針についてそれまでの議論を元にこう言われました。

Hyper-CVAD/MA療法を6コースもしくは8コース行った上で、その後に、MD Anderson Cancer Centerと同様の維持療法をやりましょう。

ただ、6コースやるか8コースやるかはまだ決め切れていません。でも、高山さんに最もいい治療をしたいと考えて、調べて検討しています。

この話を聞いて、2つ安心しました。
1つは、それまで自分で論文を調べて、先生と積み重ねてきた議論を受け入れていただき、退院後に維持療法を受けることをきちんと了承していただいた点。
も1つは、入院中の抗がん剤治療(Hyper-CVAD/MA療法)を6コースやるべきか8コースやるべきかという点についても、しっかり検討がされていて、僕にとって最善の治療を選択してくださるという点。
特に後者については、場合によっては「まあ一般的には6コースやるものですから」というレベルで医師に決められても、患者にとっては受け入れざるを得ないような内容です。
それを、しっかり患者の状態を見ながら、世の中の最新の治療成績を調べて判断してくださるということです。虎の門病院、そしてMY先生はさすがだな、と感心してしまいました。
この日は映画「パリ、テキサス」を見ました。
◼︎2013年8月30日(金)。入院110日目。抗がん剤治療開始から102日目。
この日は血液検査の結果、血小板やカリウムを点滴しました(冒頭写真)。
黄色い点滴を見ていたら、段々とビールに見えてきて困りました(笑)。
この日も一昨日に続いてまた熱が出ました。39.1度です。解熱剤のカロナールを飲み、血液培養検査のための採血もしました。
さらに、深夜にはポータブル機器でのレントゲン撮影を病室でしました。熱の原因を探るためです。
またMA療法の抗がん剤(メソトレキセート、キロサイド)の副作用か、歯磨きをすると歯茎がところどころ痛み、出血もありました。副作用として言われている口内炎ほどではありませんが。
この日見た映画は「コンフィデンスマン」でした。
◼︎2013年8月31日(土)。入院111日目。抗がん剤治療開始から103日目。
朝、熱は37.0度まで下がりました。
ただ、帯状疱疹の痛みの激しさは相変わらずで、痛み止めのフェンタニルの点滴の流量を増やしてもらったりしました。
この日、皮膚科も受診し、その後、MY先生と話しました。

帯状疱疹については、もう皮膚症状は治まっているため、皮膚科としてはできることはないとの診断です。

熱が出たのは、帯状疱疹の影響で背中で一部炎症を起こしているせいかもしれません。

基本的には痛みのコントロールは点滴や飲み薬で対応していきます。痛み止めの点滴の流量を増やす等はどんどんやっていいので、看護師に言ってください。

ただ、痛み止めで点滴していたフェンタニル(合成麻薬)は、効果がモルヒネの100〜200倍と言われていて、痛みのコントロールには非常に有効なのですが、その副作用のためか、看護師さんに同じことを何度も聞いたりと、物忘れがひどくなっていました。一時的に短期記憶力が弱まってしまったようです。
そのため、看護師さんから「ボーっとしませんか?」と心配されたり、娘を連れてお見舞いに来てくれた家内にも「点滴し始めてから忘れっぽくなった?」と心配されたりしました。
それでも痛みを抑える効果には変えられません。
この日は他にも赤血球の輸血の点滴などもしました。
◼︎2013年9月1日(日)。入院112日目。抗がん剤治療開始から104日目。
この日は11時からシャワーを浴びました。
前日と同様、日中から痛みのコントロールのため、看護師さんにフェンタニルの点滴の流量を増やしたり減らしたりしてもらいました。
痛みをフェンタニルでコントロールしつつ、映画を2本見ました。「007/慰めの報酬」と「インサイド・マン」です。
◼︎2013年9月2日(月)。入院113日目。抗がん剤治療開始から105日目。
この日も帯状疱疹後神経痛の痛みは強く、フェンタニルの流量を増やしてもらいました。
朝、MY先生と、その頃よく本で読んでいた、代替医療や瞑想などについて話しました。

代替医療でも何でも、使えるものは使えばいいと思いますよ。

高山さんのように病気のことを分かって勉強している方は、やはり治療の成果も出やすいと思います。

帯状疱疹後神経痛の痛みは、引き続き痛み止めのフェンタニルの点滴や、飲み薬でコントロールしていきましょう。

この話を聞いて、「やはりMY先生は合理的な先生だな」、と思いました。西洋医学の最前線にいながら、代替医療を頭から否定することもなく、使えるものは使えばいいというスタンスだったからです。
この日、また熱が37.7度に上がったため、CTとレントゲンを撮りました。鼻水も出てきて、風邪をひいたようでした。
◼︎2013年9月3日(火)。入院114日目。抗がん剤治療開始から106日目。
この日も熱は下がらず、朝から解熱剤のカロナールを飲みました。
それでも夕方には39.1度に上がってしまいました。MY先生が、「カロナールが効いていないようなので点滴をしましょう」と判断されて、ソルコーテフの点滴が始まりました。
その点滴が効いて、23時頃には37.4度に下がりました。ただ、深夜3時にまた測ったら35.9度にまで下がっていました。ちょっと効きすぎたのかもしれません。
映画は「野蛮なやつら/SAVAGES」を見ました。

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