「小林麻央さんの「後悔」から一体何が学べるか」と「治るという前提でがんになった」との共通点/加藤眞三教授の患者学

先日、友人の山口さんがFacebookで、「高山 知朗さんの著書『治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ』はまさにこういうことが書いてある本ではないのかな、と思いました。」というコメントとともに、こちらの記事を教えてくれました。
▼小林麻央さんの「後悔」から一体何が学べるか | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
http://toyokeizai.net/articles/-/143366


慶應義塾大学看護医療学部教授の加藤眞三先生の記事です。乳がんで闘病中の小林麻央さんのブログに触れつつ、「患者のための患者学」の必要性を訴えています。
僕もこの記事を読んでみて、「確かに僕が本で書いたことと同じようなことが書いてある!」と大変共感しました。
この記事と僕の本との共通点をピックアップしてみます。
まず、加藤先生は、

「市民のための患者学」で身につけるべき内容を、わたしは以下の3つに分類してみました。

として以下の3つのポイントを挙げています。僕も驚いたのですが、この3つのポイントは全て、僕の本にも書かれています。

(1)患者と医療者の関係性

このテーマについては、P.153「『主体的な患者になろう』からP.154「優秀な医師ほど質問にしっかり答えてくれる」で書きました。患者も自分の病気についてきちんと調べた上で、主治医に質問し、ともに最善の治療を見出していくことが大切、というようなことを書きました。

(2)医療情報の集め方・読み方(医療情報リテラシー)

このテーマについては、P.131「情報収集の具体的な方法」で書きました。役に立つウェブサイトや、本、海外論文などの調べ方等について書いています。

(3)病気を抱えた自分の生き方の決断

このテーマについてはP.218からの第四章「がんになることの意味」を全て割いて書いています。特に、本のタイトルにもなったP.232「治るという前提でがんになった」、続くP.234「人生のシナリオに困難な病気が書かれていたわけ」、P.236「人生の優先順位が大きく変わる」のあたりが大きく関係するかと思います。
また、そもそも加藤先生が提唱されている「患者学」という言葉を、僕自身も第三章のタイトル「がん闘病から学んだ患者学」で使っていました。不勉強でお恥ずかしいのですが「患者学」を提唱されている先生がいらっしゃるとは知りませんでした。
また、この患者学の3つのポイント以外にも、加藤先生の記事で触れられているポイントと僕の本の共通点はいくつかありました。

現在、医療の現場では、医療者に対する患者さんの不信感が募っています。週刊誌などで、医療の不信を煽る特集記事が頻繁に組まれているからです。

この問題はP.188「『抗がん剤は効かない』は本当か?」、P.192「『極論』に惑わされない」で触れています。

それでは、今までの医療はどんなものだったのでしょうか。それは専門家に患者が「お任せ」する、依存的な医療であったということができます。患者は受け身で説明を受け、ただ同意をするだけ。医師のいうことには逆らえません。「先生にすべてお任せしますから、魔法の薬で治して下さい」。そんな気持ちで医療機関を訪れる患者も多いのも事実です。

がんも、診断されてから5年以上生存する人が多くなっています。こうした病気の療養生活では、医師と患者の協働作業こそが大切なのです。

この問題もP153「『主体的な患者』になろう」、P.154「優秀な医師ほど質問にしっかり答えてくれる」で書きました。「『病気のことは分かりませんので先生におまかせします』というスタンスはあまりよろしくないように思います。『自分の人生のコントロール』という観点でもそうですし、医師との信頼関係の構築という観点でもそうです。」と書きました。
この加藤先生の記事を読み、このように僕の本との共通点がたくさんあり、非常に共感したため、大変あつかましくも直接先生にメールをお送りしました。するとすぐに先生からご返事をいただき、僕の本を送らせていただくことになりました。
また今後、先生の患者学の公開講座にもご協力させていただくことになりそうです。
▼市民参加対話型公開講座「患者学; 患者に学ぶ、患者も学ぶ」
メールのやり取りの中で、加藤先生は「大学教授がガンになってわかったこと」の山口仲美先生に言及しつつ、

このような自律する患者像が徐々に増えてきているのだと思います。それが時代の流れではないでしょうか。

とおっしゃっていました。
そうした時代の流れに、僕も微力ながら協力していければと思っています。

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ

(幻冬舎/税込1,188円/全国の書店にて発売中)

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