先週、急性骨髄性白血病の定期検査・診察で虎の門病院に行ってきました。前回の診察からは4週間弱です。
今回は、いつもの血液検査と、血液内科の主治医の山本先生の診察に加え、眼科の診察がありました。前回の診察で目のGVHD(移植による拒絶反応)が疑われたためです。
採血
病院に着いて、まずはいつものように採血。いつもより空いていて9分待ち。
採血が終わってから、いつもならスタバに行って、診察までの待ち時間(約1時間)を過ごすのですが、この日はこの時間を利用して眼科へ。
眼科診察
眼科では、まずは視力検査から。視力は0.03と0.04とのこと。数年前に測った時の0.02と0.03からなぜか改善していますが、今回はたまたま上下左右の勘が当たったということでしょう(笑)。
その後、しばらく待って診察室に呼ばれました。先生に目の痛みや涙が出ることなどの症状を伝えた後、検査器具や検査用の目薬を使って目をいろいろと診てもらいました。
その結果、ドライアイとのこと。目の表面が傷ついているようです。それが痛みや涙などの症状の原因となっています。やはりGVHDによるドライアイのようです。
ただ、目の表面の傷はそれほどひどくはないということで、当面は目薬(ヒアルロン酸)を使って様子を見ることになりました。
その後、いつもの血液内科の山本先生の診察室へ。
血液内科の山本先生の診察
この日は山本先生の診察がなぜかいつもより混んでいて、ここでもしばらく待つことに。
順番が来て診察室へ入ると、「遅くなっちゃってすみません」と山本先生。
「いえいえ」と言いながら、最近の近況報告。
自覚症状で気になる点としては、目の痛みに加え、顔の皮膚のGVHDの悪化です。顔の皮膚の色がところどころ白く抜けて、徐々にその面積が大きくなっています。
まあ、GVHDが出ているということは、同時にGVL効果も出ているはずです。つまり、移植したさい帯血が皮膚を攻撃すると同時に、がん細胞も攻撃しているはずです。だから皮膚については、あまり気にしないことにします。QOLよりも命優先です。
血液検査の結果:肝臓
近況報告に続いて、山本先生からの血液検査の結果の説明。
まずはGVHDが気になる肝臓の数値から。
ASTは前回と比べると59→68と上昇。
ALTは94→88と低下。
LDは267→243と低下。
総ビリルビンは1.4→1.3と微減。
いずれも引き続き基準値は超えていて、若干の増減はあるものの、「総じて見ると横ばいでしょう」、と山本先生。
よって肝臓のGVHDについては、ここのところの診察と同様、症状(黄疸等)が出て薬での介入(ステロイド等の免疫抑制剤の投与)が必要になるかどうかのギリギリの線を維持しているようです。
そのため今回も、薬での介入はせず、引き続き様子を見ることになりました。
血液検査の結果:腎臓
ただ、肝臓とは別に、腎臓の数値にちょっと異変がありました。クレアチニンの値が、1.13→1.25→1.38と増加してきているのです。通常であれば腎臓で濾過されて尿として排出されるはずのクレアチニンが、腎臓の障害により排出されずに血液中に残ってしまっています。
クレアチニンの上昇は、入院中に何度もありました。その都度、生理食塩水を大量に点滴し、また水をたくさん飲み、さらに利尿剤も使って、尿をたくさん出すようにしました。クレアチニンは尿でしか排出されないので、尿をたくさん出してクレアチニンも流す作戦です。
▼抗がん剤による腎機能障害と利尿剤/患者に言えそうで言えない一言/アメリカからメンターが:白血病・悪性リンパ腫闘病記(72)|オーシャンブリッジ高山のブログ
退院後しばらく経った数ヶ月前にもクレアチニンが上がったことがあり、水をたくさん飲むように言われました。
▼OS-1でクレアチニンを下げて腎機能を回復する努力|オーシャンブリッジ高山のブログ
当面の対応としては、抗菌薬のダイフェンを減らすことになりました(週3回→2回)。
それに加え、自分ができることとして、水を飲む量を増やしています。暑くなってきて、汗で水分が出てしまうことも増えていますので、意識して水を飲んで尿を増やしていきます。
血液検査の結果:血球
血液検査の結果、血球の数値は大きな問題はありませんでした。
白血球は5.3→5.4、赤血球は3.71→3.71、ヘモグロビンは11.4→11.3、血小板は66→66でした。赤血球、ヘモグロビンは引き続き基準値より低いのですが、特に生活上は問題ありません。
血小板は基準値が141〜327ですので、66というのは基準値よりかなり低く、しかも移植から1年以上経ってもなかなか増えてこないのが気になるのですが、こちらも生活上は問題ないので、いずれ増えてくるのを気長に待ちます。
薬の処方
診察の最後に、薬を出してもらいました。
定時で飲んでいる薬はいつも通り。ダイフェン、エディロール、ラベプラゾール、フェブリク、アシクロビル、リリカ、ミヤBM錠、ブロチゾラムです。家に残薬があるものは、数を調整してもらいました。
痛み止めの医療用麻薬であるオキシコドン徐放錠、オキノーム散もいつも通り。
そして皮膚の塗り薬、ヘパリン類似物質(いわゆるヒルドイド)のスプレーとクリームは、皮膚のGVHDも強くなってきているので、これまでより多めにお願いしました。
次回の診察予約は5週間にしました。
ランチ
いろいろあっていつもより終わるのが遅くなったので、お腹が空きました。この日はたまたま妻も付き添ってくれていたため、二人で病院近くのカフェにランチに行きました。
このお店は、2回目のがん、悪性リンパ腫(急性リンパ性白血病の7ヶ月の入院を終えて退院した直後にも、二人で行ったことがあるお店でした。久しぶりの再訪です。
恐らく前回来たのは4年前でした。あれからまた別の白血病になり、さい帯血移植をすることになるとは、あの時は全く思いもよりませんでした。
でも、移植を経て、こうして元気になってまた来ることができて、おいしいハンバーグをいただき、相変わらず混み合っている店内を眺めると、なんとも不思議な気持ちになりました。
一見、4年前と変わらず混み合っているお店ですが、その人気を保つためには、ちょっと見ただけでは分からない工夫や苦労、努力の積み重ねがあるのだと思います。
一方で僕は、この4年の間に別の白血病になり、さい帯血移植を受けて、造血幹細胞がドナーさんのものに入れ替わり、血液も入れ替わり、そして血液型もB型からA型に変わりました。もちろん外見上はそんなことは(皮膚のGVHDを除けば)分かりません。でも体の中身は(特に血液は)大きく変わっています。
一見何も変わっていないようで、その中身は大きく変わっている。
僕自身としては、肉体的な変化は、もうこれまでに十分経験してきたので、これからは、精神的な成熟を求めて暮らしていきたいと思います。