前回の旅行についての記事にも少し書いたのですが、帰国翌日の土曜日の深夜、39.6度の高熱と嘔吐、下痢の症状が出てしまいました。
そのため、週明け月曜日に急遽、予約外で虎の門病院を受診してきました。
朝、病院に電話して主治医の山本先生につないでいただき、状況を説明。やはり病院で検査をしたほうがいいということで、その日の午後、外来診察に出ている担当医の湯浅先生に診ていただくことになりました。
病院に着いて、いつもと異なり内科処置室に行って採血。血液培養検査の分も採血しました。
それから胸のレントゲン撮影、そして胸のCT。
一通り検査が終わってから、湯浅先生の診察室に。
湯浅先生は、「まだCTの結果が出ていないんですが、血液検査の結果とレントゲンは確認できたのでお呼びしました」とのこと。
その結果としては、恐らく普通の風邪とのことでした。
胸のレントゲンでは肺炎の兆候はなく、血液検査の結果を見ても、感染症のときに上昇するCRPは2.1と、それほどは高くありません。
以上から、旅行の疲れで免疫力が下がり、風邪をひいたのでしょうという診断でした。薬も特に新しく処方されず、症状に応じて手持ちのカロナール(解熱鎮痛剤)とPL顆粒(総合感冒薬)を飲むことになりました。
湯浅先生には、「夜中に40度近くの熱が出たときには、久しぶりに救急車が頭をよぎりました」と言ったら、「でも帰国してからでよかったですね。旅行中に海外で同じ状況になったら本当に大変でしたからね」とのこと。全くです。
この日は予約外での診察で、たまたま担当医の湯浅先生の診察となりましたが、いつもの定期診察は主治医の山本先生に診ていただいています。湯浅先生の診察は久しぶりだったため、いくつか追加でお聞きしたいことを聞いてみました。
まず顔の白斑について聞いてみました。
湯浅先生も白斑には気づいたようで、「高山さんが入ってきたとき、結構、白斑が出てるな、と思いました」とのこと。
「さい帯血移植をした患者さんでは白斑が出ることが多いんですか?」とお聞きすると、下記のような回答でした。
「高山さんの白斑は慢性GVHDの一つですが、一般的に、さい帯血移植の場合は骨髄移植に比べて重い慢性GVHDは少ないと言われています。でも中には慢性GVHDとして白斑が出る患者さんもいらっしゃいます。
さらに、「先日、たまたま廊下で谷口先生に会ったときに、『白斑は皮膚の慢性GVHDの成れの果てだから、忘れたころに治るよ』と言われたんです」とお聞きしたら、
「確かにそういう言い方はできますね。一通りの皮膚症状、赤みや、色素沈着による黒ずみなどが出て、最後に色素が抜けて白斑になって、あとは治るだけ、ということですね。」
とのこと。「あとは治るだけ」というのはうれしい言葉でした。
白斑に続いて、病気そのもの(急性骨髄性白血病)についても聞いてみました。昨年の入院中、湯浅先生から、
「高山さんの場合、二次がんであること、染色体異常(複雑核型)であることという予後不良因子があるため、再発率は高く、再発する場合は早期であることが多いです。逆に、移植から一年半の間に再発しなければ、その後再発する可能性は低いでしょう。
と言われました。その「移植から一年半後」は、2ヶ月後の10月14日です。
そのことを改めて湯浅先生にお聞きしてみました。すると、
「統計的なことを言うと、本当は移植から3年は見た方がいいのですが、でも高山さんの場合、移植から一年半再発しなければ、その後も再発の可能性は低いと思います。現時点で再発していないということは、移植したさい帯血が白血病細胞を押さえ込めているということです。白斑も含めて慢性GVHDがしっかり出ているということは、さい帯血ががん細胞を殺す効果(GVL効果)もしっかり出ているということです。
とのお答えでした。これを聞いてまた少し安心しました。
また、「移植する前は、海外旅行に出られるようになるまでは3年くらいかかると思っていました。でも実際は移植から1年ちょっとで行くことができました」という話をしたら、湯浅先生は、
「高山さんは、退院後も、一時は足元がふらついたり、言葉がうまく出てこなかったりしたころがあって、回復にも少し時間がかかるかな、と正直思っていました。でもその後の回復が早かったですね。今はお話ししていても、どもったり滑舌が悪かったりすることもなく、しゃべるスピードも速く、治療前の高山さんと変わりません。」
とのことでした。前述の白斑のことも含め、本当に湯浅先生は患者の様子をよく観察しているな、と改めて感心してしまいました。
白斑については、やはり白斑に悩んだマイケル・ジャクソンのように、顔全体に広がってしまわないか、また手など別の場所にも出ないかなど、心配はなきにしもあらずですが、外見よりも命の方が大切です。
あまり気にせず、谷口先生が言うように忘れてしまおうと思います。