今年は51歳ということで、50歳のときのような感慨は特にないのですが、
一つだけ思ったことがありました。
誕生日に思ったこと
脳腫瘍になった40歳以降、この11年で、
「自分はあと数年しか生きられないかもしれない」
と考えたことが何度もありました。脳腫瘍、悪性リンパ腫、白血病、大腸がんの4回のがんをそれぞれ告知されたとき。
それと、治療があまりにも辛く苦しくて心が折れそうになったときもそうですね。
だから、そのころの自分に、
大丈夫、少なくとも51歳の自分は、元気に家族と暮らしているよ」
と伝えたいと思いました。
がんの告知で目の前に現れる死
がんの告知、そして5年生存率の告知は、当たり前の日常を根底からひっくり返してしまいます。
何の疑いもなく、あるいは無意識的に、「自分は平均寿命くらいまでは生きるんだろう」と思っていたところに、突然、「5年後まで生きていられる確率は25%です」とか言われてしまうわけです。
それまで全くひとごとだった死が、「自分にも数年後に起こりうること」だという現実感を持って、突然、目の前に現れるのです。
これはなかなか辛い、絶望的な体験です。非常に受け入れ難い現実です。そして、その現実的な死をできるだけ遠くに、できれば平均寿命の年齢くらいまで追いやるために、苦しい治療を受けることになります。
苦しい治療を乗り越えれば、死を遥か遠くに追いやることができるかもしれない。でも場合によってはそうはならないかも知れない。あるいは治療の副作用や合併症、後遺症などが思ったよりも大きいかも知れない。
でも、死をできるだけ遠くに追いやるには、治療を受けるしかありません。どんなに辛い治療でも、どんなに後遺症や合併症のリスクが大きくても、死を遠ざけるためには、治療から逃げるわけにはいきません。
そういう苦難のさなかにあった数年前の自分に、
大丈夫、少なくとも51歳の自分は、元気に家族と暮らしているよ」
と伝えられたら、あの絶望のトンネルを抜けるための希望の光になるな、と思いました。
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家族からのプレゼント
誕生日には、妻と娘からいろいろプレゼントをもらいました。
これからの季節にぴったりのシンプルなTシャツ。
娘からはきれいな栞とメッセージカード。
最近、電子書籍(Kindle)でなく紙の本を読んでいることが多い僕を見て、プレゼントしてくれました。早速活用しています。
これからの人生でも、まだまだ予想外のことが起きるかも知れませんが、どんなときも希望を見失わずに乗り越えていきたいと思います。
・・・でも正直なところ、もう重い病気はたくさんです。
これからは、とにかく健康に暮らしていきたいです。