「達人のサイエンス」で考えた、イチローと佐藤琢磨の偉大さ。

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週末に読んだ本、「達人のサイエンス—真の自己成長のために」
達人の域に達する人とそうでない人は何が違うのか?について書かれている。
曰く・・・


人間は努力しても急には成長しない。
成長や成果が実感できない中でも、辛抱強く努力し続けることで、ある日、突然、できなかったことができるようになる。
しかしその後はまた、先の見えない、成長が実感できない、辛抱の状況が続く。
そしてまた、ある日突然、成長が実感できる時がくる。
成長とはその繰り返しである。
辛抱の時でもあきらめずに努力し続けることが、成長には不可欠であり、それが達人に共通する特質である。
その辛抱ができず、性急に結果を求めてしまう人は、達人の域に達することはできない。
そうしたことを、著者George Leonard氏の合気道指導者としての経験を絡めて説いている。
原書のタイトルは、「Mastery: The Keys to Long-Term Success and Fulfillment」。
1991年にアメリカで出版されたのだが、この本、当時のアメリカの即物主義、結果主義へのアンチテーゼともなっている。
つまり、「努力もしないですぐに痩せられるダイエット商品」や、「プロセスを無視して、売上や利益という結果のみを過度なまでに追求するマネジメント」等々に対する批判精神が根底に流れる。
著者が合気道のMasteryであることから、武道や気といった日本の思想が引き合いに出されている。
が、その日本も、今では即物主義、結果主義に陥っているのではないか、と思う。
昨今売れる本は、お手軽な成功法則本、週末起業本、情報起業本、等々。
「リスクを負わずに、短期間で、サラリーマンでは得られない大きな収入を、あなたも得られますよ」・・・。
そうした風潮を懸念する識者の声も徐々に聞こえてきている。
イチローは昨日、シーズン安打262本の大記録を打ち立て、同時にメジャー二度目の首位打者となった。
人は彼のことを、天才ではなく、努力の人だと言う。
常に高い目標を掲げ、地道な努力を積み上げて到達したのは、もう誰も到達できないだろうと思われていた、84年振りの高み。
今週末はF1鈴鹿グランプリ。
二度目の表彰台が期待される佐藤琢磨。
彼は昨シーズン、BARホンダのテストドライバーとして1シーズンを過ごした。
その前のシーズンはジョーダン・ホンダの正ドライバーだったにも関わらず。
しかし彼は、「来期のマシンを自分が作り込むんだ。自分がF1で優勝するために、テストドライバーとしてF1マシンを駆る経験は間違いなくプラスになる」、と考え、テストドライバーとしての1シーズンを過ごした。
そして今シーズン。
BARホンダの正ドライバーとして、日本人二人目となる3位表彰台を達成。
日本人最強のF1ドライバーとして、フェラーリチームから恐れられ、皇帝ミハエル・シューマッハから一目置かれる存在となった。
そして彼は、日本人初のF1チャンピオンを、本気で目指している。
周囲も、彼なら達成できると、応援している。
長期的な目標を設定し、常にその達成のために、自分に対して厳しい課題を与え、雑音にとらわれず、淡々と地道な努力を積み重ねていく。それしか、成長の道はないのだから。
我が身を振り返り、身が引き締まる思いがしています。

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「「達人のサイエンス」で考えた、イチローと佐藤琢磨の偉大さ。」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。
    実践起業のこばやしと申します。
    わたしもこの本を夏ぐらいに読みました。
    良い本ですよね。
    その後、オリンピックでの日本人選手の活躍、イチロー選手の活躍と、達人の活躍を見ることができ、いろいろと勉強になっています。
    スポーツ選手から、学ぶことが多いと、最近とくに思っています。

  2. こばやしさん、コメントありがとうございます。
    そうなんですよね。
    ビジネスでもスポーツでも、道を極めていくと、行き着くところ、真実は一つ、という感じがしています。
    僕のコンサルタント時代の上司も同じようなことを言っていました。
    まさにMasteryへの道と同じ。
    地道に見える努力を、いかに突き詰めていけるかが、スポーツやビジネスといった分野に関わらない、成功への唯一の道ではないかと思います。

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