もうひと月近く前の話なのですが、虎の門病院の肝臓内科にて、肝臓のエコー検査、食道静脈瘤の内視鏡検査、そして血液検査を受けてきました。
1日に3つの検査
今回は、できるだけ病院に行く回数を抑えるため、肝臓内科の藤山先生にお願いして、肝臓のエコーと食道の内視鏡検査を同じ日にしてもらいました。そして検査が終わった最後に、検査結果に基づく診察も入りました。
ということで、この日は少し忙しい1日となりました。
病院に着いてまずは血液検査のための採血。
それが終わったらエコー検査へ。エコーはそれほど時間がかかりません。
エコーが終わったら、内視鏡検査へ。胃カメラですね。
内視鏡検査は、検査前の喉の麻酔や鎮静剤の注射に始まり、実際の検査、そして検査終了後に鎮静剤が抜けるまで安静にして待つ時間など、トータルでは結構時間がかかります。
それらが全ての検査が終わってから、藤山先生の診察室でそれぞれの検査結果を説明していただきました。
肝臓のエコー検査の結果
まずは肝臓のエコーの結果です。
僕はこれまでの悪性リンパ腫や白血病の治療で受けた抗がん剤治療や、さい帯血移植の影響(慢性GVHD)で、肝臓に障害が出ています。
そして画像検査だけではその肝臓の障害の実態が掴めなかった(画像上、腫瘍らしき異常があるのは分かるが、それが悪性腫瘍かどうか見極めがつかなかった)ため、2020年12月の食道静脈瘤再発による入院時に、肝臓の生検を受けました。
そこで採取した組織の病理検査の結果、肝臓に「結節性再生性過形成(NRH)」という良性腫瘍ができていることを確認しています。
これが食道静脈瘤や、2021年の8月に見つかった門脈の血栓の原因でもあります。
生検時の病理診断では良性腫瘍ということでしたが、将来的に悪性転化しないとも限りません。そのため、MRIやCT、そして今回のようなエコー検査などで、定期的に検査しています。
そして、お陰様で今回のエコー検査では肝臓に大きな異常は見つかりませんでした。悪性腫瘍もなし、門脈血栓もなし。
なおエコーでは、肝臓だけでなく、胆嚢、胆管、膵臓、腎臓、脾臓もチェックしてくれています。検査報告書には、エコーの画像とともに、それぞれの臓器ごとに所見についてコメントがされています。
それぞれいろいろと書いてはありましたが、特に何か治療などが必要な異常はなかったようです。
ひと安心です。
食道静脈瘤の内視鏡検査の結果
続いて、食道静脈瘤の内視鏡検査(つまり胃カメラ)の結果です。
今回の食道の内視鏡検査は、昨年6月の食道静脈瘤の入院治療(EVL)のフォローアップです。
前回の検査は昨年12月(下記リンク)でしたので、およそ6ヶ月ぶりの検査でした。
▼食道静脈瘤の内視鏡検査と肝臓の腫瘍の造影MRI:がんサバイバーの治療後の実際 – オーシャンブリッジ高山のブログ
今回も前回と同様、食道静脈瘤の再発などの問題はありませんでした。
僕の食道静脈瘤は前述のように、これまでの抗がん剤治療や、さい帯血移植の副作用等による肝機能障害が直接的な原因です。
肝機能障害で肝臓が硬くなることで、肝臓を通る血管である門脈に血液が流れにくくなり、その血液が逆流して、食道の静脈に瘤を形成します。この静脈瘤が破裂してしまうと、大量に吐血し、生命に危険が及びます。
よって、食道静脈瘤の治療は、できてしまった瘤を破裂させないための対症療法がメインです。内視鏡(胃カメラ)で静脈瘤を確認しながら、硬化剤を注入して固めたり(EIS)、静脈瘤を輪ゴムのようなもので縛って壊死させたり(EVL)という治療です。
食道静脈瘤ができる根本原因である肝機能障害については、これまでのがん治療の副作用ということで治療の手段がありません(肝臓が自然に回復していくのを期待するしかない)。そのため、どうしても最初のうちは食道静脈瘤は再発しがちです。
実際、僕もこれまで何度か再発して入院治療(EVL、EIS)はを受けています。
それでも、EISやEVLといった治療を繰り返すうちに、だんだんと食道の静脈に血液が逆流してきても、瘤を形成しにくくなっていきます。
EISやEVLでは、できた静脈瘤を潰したり固めたりといった観点だけでなく、今後、瘤ができそうな(再発しそうな)静脈への血流を遮るようにするという観点でも、輪ゴムで壊死させる場所や硬化剤で固める場所を検討し、その狙いを外さずにピンポイントで処置します。そうすることで、今ある静脈瘤の破裂の可能性だけでなく、今後の静脈瘤の再発の可能性も減らせるようです(多分)。
僕の今回の検査でも、お陰様で再発はありませんでした。一年前に受けたEVL治療が非常にうまくいったおかげですね。安心しました。
これで当面は再発も抑えられ、治療のために入院する必要もなさそうです。
これまで何度も入院を強いられてきた食道静脈瘤の治療もようやく落ち着いてきたようでうれしいです。
血液検査の結果とクレアチニン
そして血液検査の結果も大きな問題はありませんでした。
一時は悪化傾向にあった肝臓の数値も、最近のよい傾向を維持して、一通り基準値内に収まっています。
血球の数値も引き続き問題なし。
ただ一点、腎臓の数値であるクレアチニンがいつも以上に高く、1.41でした(前回は1.23)。
こちらも肝機能障害と同様、これまでの抗がん剤やさい帯血移植の影響です。特に腎臓に負担がかかったのは抗がん剤かと思います。
最近は、クレアチニンが高いことを意識して、女子医大での脳のMRI検査でも、造影剤を使うのは最低限にしています。腎臓への負担をできるだけ減らそうということです。
ここ最近の血液検査では、この一点、クレアチニンだけが気掛かりです。
今後も注意して見ていきたいと思います。
なお、これまで何年もの間(2013年以降)、クレアチニンが高いと水をたくさん飲むようにしていたんですが、先日の血液内科の診察のときに山本先生に聞いたところ、どうもこれはあまり意味がないとのこと。
僕はこれまで、水をたくさん飲むと、腎臓のフィルターにたくさんの水が流れて、フィルターの目詰まりを流してくれて、クレアチニンが下がる、というメカニズムだと理解していたんですが、そうではなく、水をたくさん飲むと、単に血液が水で薄まって、クレアチニンの濃度が一時的に下がって検査で数値が低く出るというだけのことのようです。つまり、水をたくさん飲んでクレアチニンを下げても、それは腎臓の機能が回復しているわけではない、ということですね。ずっと誤解していました。。。恐らく悪性リンパ腫で入院していた2013年からこの9年間、誤解していました。。。(汗)
一時は、1日に水を2〜3リットルは飲むようにしていたこともあったのですが、山本先生によると、
「まあ熱中症にならない程度に飲めばいいですよ」
とのこと。そうだったのか。。。まあ誤解が解けたのは良いことです。
ということで、この日1日、いろいろありましたが、総じて安心できる検査結果でよかったです。
検査のために頻繁に病院に行くのは大変と言えば大変なのですが、でもこれ以上病気にならないために、また病気を悪化させないために、必要なことですからね。
娘が二十歳になるまで、あと8年です。少なくともそれまでは、お酒の飲める体(内臓機能)を維持していかねばなりません。
娘の二十歳の誕生日に家族3人でおいしいお酒で乾杯してお祝いするためには、頻繁な検査も、禁酒も、なんてことありません。
いま普通の生活ができていることに感謝しつつ、日々を送っていこうと思います。