「あんた、13年間、よくがんばった!」僕の13年間で5回のがん闘病と「5度のがんを生き延びる技術」に対する元虎の門病院 谷口先生の感想

先日書いた「虎の門13会」の記事で、谷口先生(前虎の門病院血液内科部長)から僕の新著「5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割」を読んでの感想をお聞きしたことを書きました。

今回はその谷口先生からお聞きした本の感想などについて書きたいと思います。

谷口先生の感想(その1)

虎の門13会でお会いした際、谷口先生は、

「わざわざ本を送ってくれたから感想の言葉を返さなきゃいけないと思っていたんだけど、なんと返したらいいか、きちんとした言葉が見つかっていないんだよな」

と言った後、少し考えて、

「あんた、一冊目と違って、今回の本では『本心』を書いただろう」

と言いました。それを聞いて、思わず「先生、鋭いですね!どこで分かったんですか!」と聞いてしまいました。その背景をご説明します。

1冊目の執筆スタンス(治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ)

正直言うと、僕は1冊目の「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」ときは、「自分はがんを2つも乗り越えたんだ!」というような、高揚感に満ちた強気なスタンスで書いていたところがあり、それにより若干読者を選ぶ面があったかなと少し反省していました。

例えば、1冊目の読者の方から、「海外の論文を読むなんて、自分にはそこまではできない」と言われたことがありました。

あるいは、「がんという現実を受け入れろと言われても、それができないから困っている」と感じる患者さんも少なくないかもしれないとも考えたりしました。

2冊目の執筆スタンス(5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割)

そうした前著の反省から、今回の本「5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割」は、「自分は告知の際はこんな背景もあって家族で泣いた」という自分の感情面も包み隠さずに書きました

谷口先生は、そのあたりを読み取ってくれたようです。そして、一度一通り読んだけれども、再度要所要所を読み直している、ともおっしゃっていました。

さらに、さまざまな感情的、精神的な苦しみを乗り越える際に、「こういうふうに考え直して、がんという現実を受け入れた」というようなHow、つまり「どうやって」の部分を、過去の記録から思い出して、できるだけ具体的に書きました。

そしてそうしているうちに、こうした精神的な困難の乗り越え方に自分なりのHowのパターンが見えてきて、そのパターンを「がんを乗り越えるためのフレームワーク」としてまとめたという次第です。

谷口先生の感想(その2)

虎の門13会では、その後、二次会にも行きました。お酒が進む中で(僕は今はお酒は飲みませんが)、再度谷口先生と僕の本の話になりました。

そして本にも書いた、初めて外来の診察室で谷口先生に会ったときに、「娘が二十歳になるまで、あと13年は生きられるようにしてください」とお願いした話、それに対して谷口先生が、「じゃあ、治しにいきましょう」と言ってくれた話をしました。別の病院で「生存率40%」と言われて絶望していたときに、希望の光が見えた瞬間の話です。そしてあのときの「あと13年」が、もう「あと6年」になったということも。

さらに、こんな話もしました。最初のがんである脳腫瘍の主治医の村垣先生が、たまたま谷口先生と過去にあるイタリアンレストランで名刺交換していて、その縁で僕を谷口先生につないでくれた話。そして、谷口先生の初診のときにその話をしたら、「じゃあ治ったら村垣先生も誘って3人でその店に行きましょう」と言ってくれた話。そして、実際にそれが実現した話。(以下関連記事)

▼【前編】奇跡のディナー:2人の医師の命のリレー – オーシャンブリッジ高山のブログ
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この話をしたところ、谷口先生が、「じゃあ、6年後に娘さんが二十歳になったら、娘さんも奥さんも一緒にお祝いに行こう」と言ってくれました。

こうした、僕の闘病にまつわるエピソードの話をひとしきりした後、谷口先生は、

「あんた、13年間、本当によくがんばった!」

と言って「僕の手を取って握手してくれました。これには涙が出そうになりました。40歳で脳腫瘍になり、合わせて5回のがん闘病の乗り越えて、今53歳。谷口先生は、その僕の13年間を労ってくれました。

谷口先生は、「自分は高山さんの病気のことは知っていたけれど、自分の会社を手放すという決断など、病気以外にもこんなに苦労をしてきたとは、本を読むまでは知らなかった」とおっしゃっていました。それが、「13年間、本当によくがんばった!」の握手に表れていたのだと思います。

そして「おい、もう一回写真撮ろう」という先生の言葉で撮ってもらったのが、この写真です。僕の後ろには、谷口先生の後任の現血液内科部長の内田先生、そして奥には山本久史先生も写っています。

谷口先生からうれしくありがたいお言葉と握手をいただて、忘れられない夜となりました。

こうした医師と患者が飲み会でざっくばらんに話をできる場があること自体、虎の門病院の血液内科の医師と患者の信頼関係、さらに医師と看護師、医師と医師等の信頼関係の強固さを示していると思います。

本当によい先生たちに巡り会えたことを、改めて感謝しています。

そしてこのブログをご覧になっている、虎の門病院の血液内科の患者さんとも、ぜひ次回の春の虎の門13会でお会いできればと思っています。参加ご希望の方は本ブログの連絡先から僕にメールをください。ぜひ次回お会しましょう。


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5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割

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