「ユダヤ人の頭のなか」に見る、成功を生み出す「マイノリティ意識」

bk_brainsuccess.jpgいやー、お腹一杯。
今日読んだのは、「ユダヤ人の頭のなか」です。
最近のユダヤ人本ブームに一石を投じる!的な本ですね。
このところよく目にする「ユダヤ人」をタイトルに冠するお金持ち本、成功法則本とは明らかに一線を画しています。
実際、著者(ユダヤ系米国人、奥さんは日本人)は、この本を書こうと思い立った理由について、こんな風に言い切ってしまっています・・・

日本で出版されている、ユダヤ人について書かれた多くの本について、大きな懸念を持ったためです。その多くは、単なるファンタジー(空想物語)に過ぎません。

そう言い切るだけのことはあり、史実や事例など、非常に情報量が多く(ただ、一部多すぎて冗長な気もしましたが)、読み応えがありました(ただ、要点だけ取り出してまとめると、かなりシンプルになるのですが)。
ユダヤ人についての地理的および歴史的な説明から始まり(歴史が得意でない僕には大変勉強になりました)、ユダヤ人の成功のカギとなる「イディシェ・コップ」という言葉を取り上げ、それを具体的な5つの要素、行動指針的なものにブレイクダウンして、それを事例とともに(かなり)丁寧に解説するという流れで進んでいきます。
実際、書かれている成功のポイントについては、一般によく言われること、今昔の成功本に書いてあることとかなりダブる(つまりそれそのものには目新しさはない)のですが、それが、ユダヤ人の歴史的背景との緊密な連携の上で丁寧にかつ詳細に語られていて、非常に、説得力がありました。
そこが、この本の素晴らしいところですね。
また、日本の読者向けに書かれたということもあり、日本人への提言も多々。
ユダヤ人の「マイノリティ意識」と日本人の「マジョリティ意識」。
海外での自分の行動を振り返ってみて、「うーん、確かに・・・」と考えさせられる部分も。
改めて文化の違いについて認識するいい機会にもなりました。
それにしても、本当にしっかり書かれた本で、読み終わって、かなり疲れました・・・。
ただ、最近、特にビジネス系ではライトな本しか売れないと言われる中で、こうした読み応えのある本が出版されるのは、うれしいことですね。
この本の出版社、インデックス・コミュニケーションズは、元オーエス出版。
あのインデックスさんに買収されて社名変更しています。
もともと、オーエス出版って、まさにライトなビジネス本が多い印象だったのですが、こうした本(装丁自体、オーエス出版っぽくないです)が出版されるようになったのも、買収効果でしょうか?

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「「ユダヤ人の頭のなか」に見る、成功を生み出す「マイノリティ意識」」への5件のフィードバック

  1. 高山さんのブログ、陰ながらいつも拝見しています。「ユダヤ人の頭のなか」、私も読みました。本当に読み応えのある本で、今二回目を読んでいるのですが、出版社さんの前身まで知らず、ちょっと興味を持ちました。インデックスさんの本は、今回が初めてだったので・・読みながら、「こんな重い本を出すなんて、すごい会社だなあ(採算考えてない?理想が高い?賭けに出た??)」などと思っていたのですが、そうですか、経営者が変わられたのですね。

  2. hiroshi_hさん、コメントありがとうございます。
    そうなんですよ、買収された後のこの本は、如実にそれまでと印象が違う(まさにインデックスさんっぽくなった)ので驚いた次第です。
    しかし二回目、ですか。すごいです。

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