ブログの「現実的な」ビジネス利用を模索する

最近、ブログに関する記事を目にすることが非常に増えていますが、今日もこんな記事をnikkeibp.jpで見付けました。

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ビジネス利用の本番を迎えるブログ

個人向けブログサービスを提供するGMOさんや、社内利用向けにブログのサービスを始めたドリコムさん等が取り上げられています。
ただ、実際に自分でブログを始めてみて思ったのは、社内利用という点からすると、これまでの「ナレッジマネジメントソリューション」と同じような壁があり、簡単には行かないのではと感じています。
つまり・・・


ブログは「自ら情報や意見を発信する」ツールであるわけですが、普通の社員には、なかなかその「発信」をさせるのが難しいのではないかということ。
これは特に、それぞれの社員がブログを持って社内に情報を発信して・・・という活用を想定した場合に言えます。
当社もナレッジマネジメントの観点で、Net-It Centralというソフトを480社以上に提供してきましたが、多くの企業で言われる課題の一つが、「社員がみんな忙しくて、なかなか情報をシステムに登録してくれない」ということ。
(だから登録が簡単なNet-Itが多くの企業ユーザ様に受け入れられているわけですね)
単純に、「日々の営業活動で作成している営業提案書をグループウェアに登録して下さいね」というだけでもなかなか面倒臭がって登録してくれない、つまり、すでに存在している文書(=形式知)でさえも登録してくれないのが多くの企業の実状ではないでしょうか。
対してブログの場合、ブログ用に改めて自分の意見(=暗黙知)をまとめてテキストで書き込むという必要があるので、その面倒臭さレベルのハードルはかなり高いはずで、相当のことがないと、普通の社員には投稿してもらえないのではと感じています。
例えば、忙しい営業マンが、「今日の営業活動で気付いたこと」とか「商談を勝ち取った自慢の提案書」とか「参考になった本の感想」とか「今日のつぶやき」とかを、わざわざブログに書き込むというのは、なかなか考えにくいわけです。
もちろんこれには業種や部門による差異がありますね。
「情報発信」により自分の価値を高めることが、社内での評価につながりやすいシンクタンクやコンサルティング業界、また、他の業界でも企画系の部門などでは、十分うまく行きそうな気がしますよね。
(上記の記事でも、日本総研さんの事例が掲載されていますね)
という観点で考えると、一人一人の社員がそれぞれにブログを持って、自分のナレッジを積極的に公開し、かつ、社員同士が相互にコメントやトラックバックをし合って、社内のナレッジが有機的に結合し・・・という、Know-Who的利用は、ある程度限られた分野でしか成立しえないような気がしています。
(逆に上述のようにそれがはまる分野では、これまでになく強力なツールになると思います)
ただ、だからと言って、僕は、ブログの社内利用に消極的なわけではありません。
逆に、非常に大きな可能性があると感じています。
特に、社員ブログというよりも、事業部・部門ブログとして、従来のグループウェア(の掲示板機能)や(普通のHTMLベースの)イントラネットWebサイトに(まずは)取って代わっていくのではという感じがします。
全社員が発信するというより、情報のハブとなる一部のナレッジマネージャー的な社員が、一般社員に向けてブログで様々な情報を発信していく。
例えば営業支援部門のマネージャーやマーケティング部門の製品担当者から、全国の営業マンへ、最新の導入事例情報や、新製品開発プロジェクトの進捗状況などを、随時発信していくわけです。
こうした情報発信は、そもそもこうした社員の本業とも言えるものですから、上述のような「面倒臭さ」のハードルは低くなります。
このように、従来は手間を考えてイントラネットでは掲載しにくかったり、またあえて全員にメールするほどのことでもなかったような「ちょっとした」情報(より暗黙知的情報も含まれてきます)、みんなに役に立つわけではないかも知れないけれど、誰かの役には立つかもしれないというような情報が、手軽に発信できるようになるだけでも、ブログには大きなメリットがあるはずです。
そしてこのような情報ハブ的社員が運営する複数のブログがトラックバックでつながり、またそれぞれにコメントが追加されていくことで、また、そうしたブログの発展を見て、自らブログの運営側になり情報を発信しようとする社員が増えていくことで(全社員ではなくても)、企業内のより有機的なナレッジ共有が実現していくのではないかと。
そして、特にこうした企業内ユースにおいて考慮すべきなのが、日々の業務で生まれる文書データ(=形式知)。
これが共有できなければ、現場の業務を考えると片手落ちになってしまいます。
もちろんブログでもそうしたデータをアップロードできますが、あまりスマートではありません。
そこを、当社のNet-It Centralが補完することで、使いやすい仕組みが実現できるのではと思っています。
ブログ+Net-It。
これでもう、イントラネットに関しては、ホームページビルダーやフロントページで更新したり、また外注業者さんに更新を委託したりする必要はなくなりますね。CMSすら必要なくなります。
上記の記事で紹介されている会社以外にも、日立さんなどがブログの社内利用に関するビジネスに参入しています。
弊社でも、ブログのビジネス利用の観点で、いくつかの取り組みをスタートしています(発表できるものから随時発表して行きたいと思っています)。
自分自身、ちょっと面白い展開ができるのではと、楽しみにしているところです。
乞うご期待、ですね。

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「ブログの「現実的な」ビジネス利用を模索する」への7件のフィードバック

  1. banno様、コメントありがとうございます。
    ブログの企業内利用は、使い方を見誤らなければ、また我々のようなシステムの提案側が適切な利用形態を提案できれば、非常に大きな可能性があるかと思っています。
    今後ともよろしくお願いしますね。

  2. ブログをビジネス活用

    お久しぶりです。ブログについてのブログを担当している林です。 なかなかブログにつ…

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