美容院の差別化要素と、スポーツクラブの顧客囲い込み作戦。(長文)

先週の金曜日は、いつものように、地元の行きつけの割烹に。
しかし、いつもと違うことが一つ。
かれこれ7年間、必ず毎月通っている美容院のオーナー美容師さん(30代前半に見える40代男性、スガシカオ似。)と、一緒に行ったのです。
さすがは激戦区に二店舗を構える人気美容院のオーナー。他店との差別化の点で、揺るぎないポリシーを持っていて、酒を飲みながらのそんな話に、激しく共感してしまった次第。で、今日はまず、その話から。


この美容師さん、さすがに7年間かかさず毎月行って会っていることと、その美容師さんが僕と同じ長野出身(ただ彼は松本市。僕は伊那市。負けた。)だってことで、今では、行けばそれなりにいろいろと話をします。改めて思い返すと、結婚する前に、いろいろとうまく行かないことなどを相談したりしたこともありました。
話す頻度や内容など、考えてみると、学生時代の友達以上なわけです。
最近は、「近所でどの店がおいしい」とかそういう話をよくしていたんですが、「今度ぜひ一緒に飲みに行きましょう」ってことになり、この間の金曜日、一緒に行くことに。
で、うまい日本酒で、気が大きくなった僕は、「でも●●さんって、結構、お客さんに対してもぶっきらぼうですよねー」と口を滑らせたんですが、実は、そこにこの美容院のポリシーが隠されていたのです。
そう、彼のポリシーは、「無闇やたらとお客さんに話しかけない。お客さんが話をしたいのであれば、お客さんが自分から話をしてくれる。お客さんの中には、いちいち話しかけられるのを嫌う人だっている。」ということ。
「全くその通り!」と、僕とうちの奥さんは、激しく頷いてしまいました。
で、もっと話を聞いていたら、こんな話も。
「たまに従業員から、『前の店では、フレンドリーな接客を打ち出して、美容師でもバイトでも積極的にお客さんに話しかけてました。うちもそうした方がいいのでは?』とか言われる。でも、こんなに美容院がたくさんある地域で、他の店と同じことをやっていたって、お客さんは来てくれない。うちの店ならではの特長を出していかないと。話しかけられるのが好きなお客さんは、そういう接客をする店に行けばいい。うちの店には、そうでない、話しかけられるのを煙たいと思うお客さんが、気に入って来続けてくれればいい」
「うーん、すばらしい!」と、再び、僕は共感してしまいました。
実際、美容院に行って、よく知らない人に妙に気安く話しかけられるのを好む人って、いますか? そうでない人の方が、圧倒的に多いですよね? 皆さんどうですか?
「そういう考え方で経営してたのかー」といたく感心した我々。
途中で、彼の彼女も合流し、その後も美容院経営について熱く語り合いました。
(って言っても、「困った客ベスト3」とかなんですけどね)
その後、この割烹の他の常連客の友達(20代女性2名、30代男性一名、40代男性一名)も一緒に、みんなでカラオケボックスに繰り出し、空が白むまで歌ったのでした。(って二日連続なんですけど、カラオケ。)
で、タイトルに書いた「スポーツクラブの顧客囲い込み作戦」がどう関係するのか。
毎週行っているスポーツクラブがあるんですが、最近、妙に、インストラクターが話しかけてくる。
来年、近所に新しい大規模スポーツクラブができるので、その前にお客さんと仲良くなって、流出を防ごうという魂胆なのでは、というのが、高山家の想像。
で、その話しかけ方が、完全に間違ってるんです。
僕はいつも、筋トレの後、チャリンコを漕ぎながらiPodで音楽を聴きながら本を読んでるんですが(つまり、完全集中 誰も俺を邪魔できないぜ状態)、この間、何と、そんな僕の傍らに寄ってきて、話しかけるインストラクター嬢が!
でも、僕のiPodのヘッドフォンは、Shureのカナル式のため、外の音はほとんど遮断されて聞こえません。
なんか寄ってきて話しかけられているようだったので、わざわざヘッドフォンを外して聞いたところ、
「何の本読んでるんですか?」
だと!!!
「そんなの、あんたにゃ関係ないよ。あっち行ってな、あんた邪魔だよ」
とは言えない僕。
まあ適当に答えておけば、気を利かせてすぐにあっちに行くだろうと思って
「まあ、ちょっと知り合いの書いた本で・・・」
と答えてお茶を濁したのだが、全然、甘かった。
「えー、どんな本なんですかー?」「なんてタイトルなんですかー?」「どんなことが書いてあるんですかー?」「一番のチャームポイントは足の指で言うとどれですかー?」とか、質問の嵐(一部脚色あり)。
結局、ひとしきり、彼女との会話に突き合わされる羽目に。
で、昨日は昨日で、またもや驚くべきことが。
マシンで筋トレに励んでいると、遠くから、「こんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはーこんにちはー」と連呼する声が聞こえてくる。
「あれ、エアロビスタジオでなんか変なラップでも流してるのかなー」と思いつつ、声のする方を見てビックリ。
なんと、居並ぶマシンの間の通路を闊歩しながら、端から客に「こんにちはー」を垂れ流している輩(インストラクター・女性)が!!!
「そんな挨拶、意味ないじゃん! っていうか、それじゃあんた、『こんにちはロボット』じゃん!」(意味不明)と突っ込む勇気のない僕は、そのインストラクターにだけはつかまるまい、と終始うつむきがちにその後のトレーニングをこなしたのは言うまでもない。
・・・
ということで、
・お客様をつかんで離さない、真の顧客サービスとは。
・お客様が求めているもの、求めていないものを見極めることの大切さ。
・ポリシーに根ざした、他店・他社との差別化の大切さ。
・自分のチャームポイントとは(足の指の中で)。
・カラオケで二日連続でQueenを歌うとのどが痛いな、やっぱ。
というようなことを考えさせられた、この週末、でした。
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◆今日のBGM◆
で、スポーツクラブでチャリンコをこぎながら何を聞いていたのかと言うと、これ。
Something Else by Cannonball Adderley
っていうか、これ、実際のリーダーは、Cannonball AdderleyじゃなくてMiles Davisですね(有名な話ですが)。
ジャズのスタンダード曲で何が好きかって言うと、Autumn Leaves(っていうか元はシャンソンですが)なんですが、このMilesのAutumn Leavesは、いいですよねー。だけどほんとは、Bill Evans Trioのが一番好きなんですけどね。Portrait in Jazzに入ってます。

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「美容院の差別化要素と、スポーツクラブの顧客囲い込み作戦。(長文)」への1件のフィードバック

  1.  なるほど。スポーツクラブでは話しかけがブームみたいなんですねぇ。誰かが仕掛けたのかなぁ。病院もどこでも患者を呼ぶのに、××様です。もしかしたら、院内では公式には患者様(非公式なら違う呼び方をしているかも)といっているんじゃないかな。
     
     違和感があります。××さんで十分じゃないかと思うんです。きっと、これまた企業では顧客をお客様といっているので、「これからの病院は患者はお客様だから、様をつけるべし」と何やら形だけの議論が横行しているじゃないかと推測できます。学校もそのうち、生徒や学生はお客様だから、先生や教員は学生は全て様づけて呼びなさいとかなりそうですねぇ。
     様をつければ尊重したことになるという発想こそ貧困です。満足とは何か。あるいはその人のニーズとは何かを見極めるとしたら、一方的に偉そうにするとか、あるいは一方的にへりくだるのではなく、双方向で意見を言い合える状況が必要じゃないかと思っています。
     お客の中の「金を払えば俺のいう通りにしろ」というタイプは蹴散らせば良し。
     また、店に入ると、店主が威張り散らすところなんかは、すぐに退出してブログに自分の感じた嫌な点を書けば良し。
     双方向が重要だと思います。売り買いの相手は対等なんですから。買い手がいつも偉い訳じゃない。いいものを作る売り手がいてはじめて書いては満足できる。売り手も俺が創るモノが世界一だという自負はいいけど、買ってくれる人がいなきゃ。ただの駄作にしか過ぎない。
     そんなことを少し過激に思ってしまいました。
    最後になりましたが、今年もよろしく願います。
     

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