【書評】残念な人の英語勉強法

山崎将志,Dean R. Rogers
幻冬舎
発売日:2011-02-09

僕のアクセンチュア時代の同期である山崎将志君が書いた本。山崎君と言えば、「残念な人の思考法」が大ベストセラーになり、一気に人気ビジネス書作家になってしまいましたね。
その「残念な人」シリーズ最新作のテーマは、英語勉強法。さすがにいいところに目を付けますね。


自身が現役のビジネスコンサルタントであり、企業経営者であり、仕事上でも英語を使っている山崎君。その彼が、一般的なビジネスマンが実用的なビジネス英語を身につけるための正しいやり方を、自らの経験を元に解説しています。
その勉強法は、これまで一般的に言われてきたこととはかなり異なるもの。例えば以下のようなポイント。

・文法よりもコミュニケーション上重要な点にこだわれ
・発音にはかなりこだわる必要があるのに軽視されている
・英語そのものではなく、話の内容が分かっていないことも多い
・こども英会話などを学ばせても自然には身につかない
・大人になると記憶力が落ちるというのは間違い
・英語の勉強はきまりを覚えるだけ
・ムダな教材に時間を使ってはいけない
・英語力ではなく、話すことがないことが一番の問題
・TOEICは、英語そのものよりも短期記憶を問題にしている
・TOEICを受ける際に重要なのは、十分な睡眠、目薬、そして深呼吸
・TOEICの模擬テストは英語自体の勉強にはならない
・TOEICでは、とてもじゃないがビジネスの現場では使えない文章や電子メールが例文として出題される
・初級レベルのファーストプライオリティは、発音に取り組むこと
・発音の練習にはWebの辞書サイトを使う
・英語を話すときは、日本語を話すときより常に呼吸を多めにする
・単語帳で語彙力はつかない
・聞き流しは時間のムダ
・実際の会話の中では、言い換えができるかが重要

これらのポイントは一般的に言われている勉強法とはかなり異なります。でも、僕にとっては「そうそう!」と非常に納得のいくことばかり。
僕自身も、英語はそれなりに勉強したり、仕事で使ったりしてきました。学生時代はNHKラジオの「やさしいビジネス英語」を1年間一日も欠かさず聞いて勉強していました(復習含めて一日当たり40〜50分)。その後、外資系企業(アクセンチュア)に就職後に、1年以上のオランダ勤務を経験。今はオーシャンブリッジで、日常的に英語を使って欧米のIT企業とビジネスをしています。
海外留学経験はなく、また英語ネイティブな国に住んだ経験もなく、基本的に僕の英語のベースは「やさしいビジネス英語」だったりするのですが、今のところ特に問題なく英語で仕事ができています。
ということで、自分なりに英語学習法に対する考え方を持っているつもりなんですが、その僕の考え方とも近い主張がこの本にも書かれていて、「やっぱりそうだよね!」と頷くことも多くありました。
物事の本質を捉え、変革に向けた最短距離を導き出すという、コンサルタント・山崎君らしいアプローチで書かれたこの本。
英語学習を課題としている多くのビジネスパーソンにとって、非常に役に立つはずですよ。オススメです。

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