先ほど、白血病・悪性リンパ腫の方の闘病記を書いている時に気付いたのですが、今日、2014年7月4日で、脳腫瘍(グリオーマ グレード3)の摘出手術からちょうど3年が経過しました。
あっと言う間、と言いたいところですが、昨年の白血病・悪性リンパ腫の治療のための7ヶ月間の入院などを考えると、とてもそうは言えないというのが本当の気持ちです。
改めて手術当日のことを書いたブログ記事を読むと、ああ、そうだったよなあ、と我ながら感慨深いものがあります。
▼手術で脳腫瘍を摘出(経緯11)|オーシャンブリッジ高山のブログ
エレベーターを降りて、またしばらく歩き、自動ドアのあるところで家族と別れました。奥さんに抱っこされた娘と、自動ドアを挟んで「バイバイ」とお別れしました。
そして手術台に寝ました。手術台も思ったより狭く、横幅は本当に人間の幅の分しかありません。そして麻酔をかけられると、あっという間に意識がなくなってしまいました。
意識が戻ったときには、まだ手術室にいました。もちろん手術は終わっています。周りでは先生や看護師さんの声が聞こえていました。先生が「shivering(シバリング)してるな」と言っていたのが、麻酔から覚めて初めて聞いた言葉だったと思います。その時、僕の身体はなぜかガクガク震えていて、そのことを言った言葉です。
その後主治医のTM先生が来てくれて、手術の結果を説明してくれました。
先生は、「高山さん、腫瘍は95%取れましたからね。腫瘍の悪性度は、手術中のインスタントな(簡易的な)病理検査では、グレード3でした。見た範囲では、グレード4の細胞は見つかりませんでしたよ」と説明してくれました。
僕は「ああ、よかった。無事に手術は成功したんだ」と思いました。そして「グレードは3だったんだ」と安心しました。
説明してくれている先生の充実した表情と力強い口調からも、手術が会心の出来だったことが伝わってきて、それが本当に僕の力になりました。
先生と話しているうちに、ICUへの入室許可が出た奥さんが通されてきました。すでに先生から手術の結果は聞いていたようで、僕の顔を見るなり泣き出しました。「よかった、本当によかった」と。
その時、奥さんはベッドの左側に立っていました。僕の見えないエリアです。だから僕は奥さんに開口一番「左に立たれると見えないよ」と言ったようです(ここはあまりはっきり覚えていないのですが)。
奥さんが涙を流しながら「本当によくがんばったね」と言うので、僕は「いや、がんばったも何も、僕は麻酔かけられて寝てただけだから(笑)」と言いました。実際そのとおりでしたし、僕は手術の前から、「自分ががんばらなければならないのは、手術中ではなく、手術後だろう」と思っていました。
この術後のICUでの再会を通じて、僕の奥さんは、思ったよりも僕がしっかりしていて、会話もいつもと全く変わらずできたのに、驚いたようです。先生から「患者さんによっては術後しばらく意識がはっきりしないこともある」と聞いていたためのようです。予想以上にしっかりしている僕を見て、「よかったよかった」と涙を流していました。
3年間、再発がなく生きていられることに感謝。
その間、支えてくれた家族や社員、友人たちに感謝。
そして、これからも再発がなく生きていけることに期待。
脳腫瘍も、白血病・悪性リンパ腫も。