ハイレゾオーディオをAVアンプとUSBメモリで初体験したら驚愕した話

先日、ハイレゾオーディオを始めました。これまでは「圧縮音源との違いなんて分かるかなあ」くらいに考えていたんですが、聴き始めてみたところ思った以上にはまってしまいまして、この週末は、いろいろとハイレゾ音源を買い漁ってしまいました。


■ハイレゾオーディオとは?
最初にそもそも「ハイレゾオーディオ」とは?というところから。AV Watchの記事から抜粋します。
▼これから始める“ハイレゾ”超入門 – AV Watch

ハイレゾに明確な定義は今のところないが、ハイレゾ音源は、一般的に音楽CD(16bit/44.1kHz)やDAT(16bit/48kHz)を超える情報量をもつデータを指す。

そもそも音楽CDの44.1kHzという値は、人間の聞き取れる周波数帯域(可聴帯域)であるとされている20Hz〜20kHzをカバーするために定められた。音楽CDが規格化された1980年当時はこれで十分と考えられていた。ところが最近では、20kHz以上の聞き取れないような音も再現することで、サウンドの空気感を伝え、リアリティが増すと言われるようになってきた。

CDでは省略されてしまう微細な音の変化や高域の音でも、ハイレゾ音源では可能な限り忠実に記録され、その情報をしっかり引き出せる音響機器を使うことで、実際の生音に近いリアルなサウンドを聴くことが可能になる。

このように、CDを超える高音質を聴けるというハイレゾオーディオ。僕は、一昨年の入院中に、具体的な興味を持ち始めました。退院したらやりたいことリストに入れて、病院のベッドの上でネットで必要機器などについていろいろ調べてもいました。
でも、普段AVアンプにつないだApple TVやiPhoneで聴いている圧縮音源に不満があるわけでもなく、「自分の耳ではハイレゾ音源と圧縮音源の違いなんて分からないのでは」と勝手に思って、ハイレゾには手を出さないできました。
それが、Facebookでとある友人(SW氏)から、「同じ再生環境で圧縮音源とハイレゾ音源を聴き比べれば、分かる人には分かると思いますよ」と背中を押され、試してみることにしました。
■これまでの音楽環境
これまで自宅のリビングでは、iTunesで購入したりCDから取り込んだりした圧縮音源を、iTunes Matchでクラウドにアップロードし、それをApple TVでAVアンプ(DENON AVR-X4000) から流していました。Apple TVの操作(選曲など)はiOS用のAppleのRemote App(リモコンアプリ)を使って、iPhoneもしくはiPad miniから行っています。
またAVR-X4000にもiOS用のリモコンアプリがあり、自宅のWifiに接続すれば、iPhoneもしくはiPad miniから電源のオンオフやボリュームの上下、入力ソースの切り替えなどが可能です。ですからApple TVもAVアンプも、基本的にiPhoneやiPad miniで音楽系の操作は完結します。
■自宅のオーディオ環境のハイレゾ化で試行錯誤
ハイレゾオーディオを再生するにはいくつかのやり方があります。PCにDACをつないで使う方法、ネットワークオーディオプレイヤーを使う方法、ポータブルハイレゾプレイヤーを使う方法、iPhone等のスマホにポータブルDACをつないで使う方法、等々。
僕の場合、幸いにして、前述のAVアンプ(DENON AVR-X4000)にハイレゾ音源の再生機能があるので、それが前提となりました。このAVアンプに、ハイレゾ音源のデータをどう転送するかをいろいろ検討しました。
最初は、今MacにUSBでつないで使っている外付けハードディスクドライブをNAS化(ネットワーク接続)して、すでにWifiに接続されているAVアンプから、DLNA(映像・音楽データのLAN経由での機器間接続の規格)で読ませようと考えました。AVR-X4000はDLNAにも対応しています。
でも、家のインターネット回線(NURO光)のホームゲートウェイ(Wifiルーター)が、簡易NASに対応していないことが、調べていて判明しました。USB端子はあるのに、ファームウェアが対応していないとのこと。ファームウェアアップグレードで将来的に対応という情報も見かけましたが、いつになるのか分かりません。また調べていると、Wifiルーターの「簡易NAS機能」はあくまでも「簡易」であって、いろいろと問題が生じることもあるようです。
簡易NASはあきらめて、新たにネットワーク対応の外付けハードディスクドライブ(NAS)を買おうかと考えて、ちょっと口コミ情報を調べてみたら、こちらも問題があるようです。PC周辺機器メーカーとして有名なB社のハードディスクもI社のハードディスクも、どうもDLNA機器(AVアンプ等)との接続でいろいろと相性の問題があるらしいことが分かりました。「今は新たにNASを買うのは控えた方がよさそうだな」と判断しました。
また、AVR-X4000はAirPlayにも対応しているため、MacからAirPlayでハイレゾ音源を飛ばすことも考えたのですが、調べたところAirPlay経由にするとハイレゾ音源もダウンサンプリングされてしまうとのこと。それではハイレゾ音源の意味がありません。
ということで、いろいろ考えたのですが、結局割り切って、ハイレゾ音源はUSBメモリーにコピーして、AVアンプに直接挿して聴くことにしました。ハイレゾ音源はファイルサイズが大きいので、できれば外付けハードディスクに保存しておいてネットワーク経由でAVアンプから読ませたかったのですが、それは現時点ではあきらめました。
USBメモリーでも64GBならハイレゾ音源でもそこそこ入ります。数本用意して適宜挿し替えれば、当分は持つかな、と考えました。そのうちハイレゾ音源が増えて、USBメモリーの差し替えが面倒になった頃に、NASの導入を考えればいいや、ということです。その頃にはDLNAで安心して使えるNASも市場に出ているはずです。
ということで、昔使っていた64GBのUSBメモリーを探し出すと同時に、AVアンプに挿しっぱなしにしても邪魔にならなそうな小型のUSBメモリー(SanDisk USBメモリー 64GB Ultra Fit)も購入しました。これでハードウェア環境は整いました。といっても、結果的にはUSBメモリーを用意しただけでしたが(笑)。
64GBの超小型USBメモリー
なお、AVアンプに接続しているスピーカーはInfinityのトールボーイです。
■ハイレゾ音源を購入
ハイレゾ音源は、以下のサイトから購入してダウンロードしました。
▼ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】
▼音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora 〜WALKMAN®公式ミュージックストア〜
▼OTOTOY – ハイレゾ音楽配信と音楽記事
初めてこれらのサイトにアクセスしてみて、意外とたくさんのアルバムがあるのに驚きました。普段よく聴いているアルバムも見つかりました。1アルバムで3000円前後でしょうか。
主にFLACやALAC形式の音源ファイルをダウンロードしました。
手始めにダウンロードしたアルバムは以下のとおり。ジャズ、ポップス、クラシックなど)。
▼Waltz For Debby(Bill Evans Trio)
▼Portrait In Jazz(Bill Evans Trio)
▼Kind Of Blue(Miles Davis)
▼Ballads(John Coltrane Quartet)
▼Come Away With Me(Norah Jones)
▼Utada Hikaru Single Collection Vol.1(2014 Remastered)(宇多田ヒカル)
▼Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2013(坂本龍一)
▼Ryuichi Sakamoto | Playing the Piano 2013 in Yokohama(坂本龍一)
▼Ken’s Bar III(平井 堅)
▼アダージョ・カラヤン・プラチナム -(ヘルベルト・フォン・カラヤン)
▼カラヤン〜ザ・ベスト・オブ・マエストロ(ヘルベルト・フォン・カラヤン)
▼I See You While Playing The Piano(丈青)
■ハイレゾ音源を聴いて驚愕!
ダウンロードしたこれらのハイレゾ音源をUSBメモリーにコピーし、そのUSBメモリーをAVアンプに挿して、聴いてみました。メモリー内のファイルの選曲も、前述のiOS用リモコンアプリで可能です。
AVR-X4000でUSBに保存したハイレゾ音源を再生
初めてハイレゾ音源を聴いて、ビックリしました。音の解像度やリアリティーが全然違います。
どれだけ違うものかと、聴き慣れたBill Evans Trioの上記2枚を、最初はいつもの圧縮音源で聴いて、それからハイレゾ音源で聴いて、比較してみました
ハイレゾの方は、ピアノの高音の伸びや艶、そして余韻が違います。そして何と言っても驚いたのは、ドラムの音の解像度というか、一つ一つの音の鮮明さ、独立感。全然違います。圧縮音源ではモシャモシャとまとまって聴こえるブラシがスネアドラムを擦る音が、非常に鮮明に聞こえます。Waltz for Debbyの一曲目、My Foolish Heartの細かいシンバルの音なども非常に鮮明に、キラキラして聴こえます。また変な話ですが、演奏が終わった後の観客の拍手も非常にハッキリ聴こえ、自分もその場にいるようです。
宇多田ヒカルや平井堅のボーカルは、息遣いというか、フレーズの合間に息を吸い込む音までハッキリ聴こえます。Norah Jonesのボーカルも非常にリアル。歌っている口元が見えるようです。バンドの演奏に埋もれず、各楽器の音と同様にボーカルも非常に独立して聴こえます。
カラヤンなどのオーケストラ系もいいですね。弦楽器やパーカッションなど、様々な楽器の音がクリアに聴こえ、かつ、音の高低や大小のダイナミックレンジが非常に広く感じます。坂本龍一のオーケストラのThe Last Emperorのクライマックスでは、思いがけず鳥肌が立ってしまいました。同じく坂本龍一のピアノのMerry Christmas Mr. Lawlenceでは、溜め気味に鍵盤を弾く手元が見えるようです。ピアノの余韻もすばらしい。
そして、今回SW氏のおすすめで聴いてみた丈青のピアノは、一曲目の出だしが流れた瞬間に「おお!」と声が出てしまいました。ピアノの音の艶やかさ、余韻に加え、ホールの空気感まで伝わります。
■カメラの単焦点レンズの時のような衝撃
とにかくハイレゾ音源は、どんなジャンルを聴いても、非常に生々しく、リアルで、一つ一つの音の解像感が高く、目の前で聴いているような臨場感があります。今回背中を押してくれた友人のSW氏が「聞こえるってか、むしろ『見える』って感じですよね。音なのに。」と言っていましたが、まさにその通りだと思いました。
ずっと圧縮音源を聴いてきて、今回、初めてハイレゾ音源で受けたこの衝撃は、一眼レフカメラでズームレンズを使っていた頃に、初めて明るい単焦点レンズを使ったときの衝撃に似ています。被写体が解像感高く非常に鮮明に写し出される一方、背景はきれいにボケてきれいな余韻を醸し出している、というような。
とにかく驚きました。しばらくハイレゾオーディオにはまりそうです・・・。
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▼AVアンプをDENON AVR-X4000に変えたら音の臨場感がすごい|オーシャンブリッジ高山のブログ

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「ハイレゾオーディオをAVアンプとUSBメモリで初体験したら驚愕した話」への2件のフィードバック

  1. ハイレゾの情報詳しく教えていただき助かりました。
    私も考えていましたが自分には聞き分けられないと思い込んでいました。
    20〜30歳くらいの若者ならともかくおじさんは無理と決めつけていましたがそうでもなさそうですね。
    圧縮音源はそれなりに気軽に聞けますがいつも物足りなく感じています、やっと私のタンノイのスピーカーが甦るかな、でもアンプを考慮しないといけないけど探す楽しみが増えました。
    また情報があったら教えてください。

  2. あみちゃんさん、コメントありがとうございます。
    タンノイのスピーカーをお持ちでしたら、数万円程度の安いAVアンプを追加すれば、十分ハイレゾが楽しめるのではないかと思いますよ。
    お互い病気の後は自宅で過ごす時間も長くなりますので。こういう楽しみぐらいないと、ですよね(笑)
    今はポータブルDAC・ヘッドフォンアンプでiPhoneをハイレゾ化しようかどうか検討中です。大して家の外では音楽を聞かないのに(笑)

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