前回書いた下記の記事で、
▼快気祝い(仮)で四半世紀を一気にさかのぼり、新卒の自分に|オーシャンブリッジ高山のブログ
下記のように書きました。
その(仮)が取れる話については、長くなったので次回ブログ記事にて。
先日、先輩たちが開いてくれた「快気祝い(仮)」に(仮)がついているのは、去年の急性骨髄性白血病については、まだ「治った」とは言えない状況のためです。再発もなく、寛解状態は維持していますが、まだ「治ったとは言えません。「快気」していないわけですね。だから(仮)がついているのです。
じゃあ、この急性骨髄性白血病を含め、これまでの3回のがんは治っていないのか。そのあたりをご説明します。
1回目のがん、脳腫瘍(グリオーマ)の場合
1回目のがんである脳腫瘍(グリオーマ)については、2016年に、手術からまる5年が経過しました。
統計的に、再発率が大きく下がる節目の年が、僕の脳腫瘍(グリオーマ グレード3)の場合は5年でした。
手術後に再発なく5年生きられれば、その後も再発なく生き続けられる可能性が高いということです。つまり、医学的・統計的には「ほぼ治った」と言える状態です。
だから脳腫瘍の治療成績において5年生存率の値が重要なのですね。5年生存率が高いということは、治る可能性も高いということになるためです。(なおこの年数についてはがんの種類により異なります。後述)
でも5年経過した後も、再発率はゼロにはなりませんので、「完全に治った」とは言えません。だから僕は「ほぼ治った」と言っています。ここはもどかしいところなのですが。
2回目のがん、悪性リンパ腫(急性リンパ性白血病)の場合
2回目のがんである悪性リンパ腫(急性リンパ性白血病)については、この再発率が大きく下がるまでの節目の期間が3年でした(高悪性度のB細胞性リンパ芽球性リンパ腫の場合)。がん細胞の悪性度が高く、進行も早いため、再発する場合も3年以内と比較的早いことが多いのです。
この悪性リンパ腫についても、脳腫瘍と同じ2016年に、その節目となる3年を超えました。
7ヶ月の抗がん剤治療を終え、PET-CT検査で寛解が確認されたのが2013年11月。その3年後にもPET-CT検査を受けて、再発はなく寛解が維持できていることが確認されました。
だから悪性リンパ腫も「ほぼ治った」と言えます。
なお、「悪性リンパ腫(急性リンパ性白血病)」と書いているのは、僕の「B細胞性リンパ芽球性リンパ腫」は、そのがん細胞が病理学的には「急性リンパ性白血病」と同じものであるため、同じ病気であり、同じ治療をすべきとされているからです。
そのため、ここでは「悪性リンパ腫(急性リンパ性白血病)」と表記しています。
3回目のがん、急性骨髄性白血病の場合
そして3回目のがんである去年の急性骨髄性白血病については、僕の場合、予後不良因子(二次がん、染色体異常の複雑核型)を考慮すると、造血幹細胞移植から1年半が再発の多い期間だと言われました。これも悪性度が高いため、再発する場合は早期が多いのです。
だから、移植から1年半の間、再発することなく寛解を維持できれば、その後の再発リスクは大きく下がります。
僕は昨年の2017年4月14日にさい帯血移植を受けましたので、その1年半後となる2018年10月14日を元気に迎えることができれば、急性骨髄性白血病も「ほぼ治った」と言える状態になります。あと4ヶ月弱ですね。
ちなみにこの急性骨髄性白血病は、前回の悪性リンパ腫(急性リンパ性白血病)の再発や転移ではありません。ただ、その前回の化学療法が原因となって発症した、治療関連の二次がんです。二次がんの場合、そうではない場合と比べて再発率が高く、生存率は下がると考えられています。
でも、この4月に無事に移植後1年を超え、移植後1年半まであと4ヶ月です。そうすれば、無事に急性骨髄性白血病も「ほぼ治った」と言えるようになります。
「快気祝い(仮)」の(仮)が取れる
つまり、今から4ヶ月後の10月14日を過ぎれば、急性骨髄性白血病も含め3回のがん全てが「ほぼ治った」状態になります。
そうすれば、「快気祝い(仮)」の(仮)が取れるわけです。本当の「快気祝い」です。
ということで、先日の快気祝い(仮)の最後には、「じゃあ次回は10月以降にやろうよ。忘年会で集まろうか」と言っていただきました。
もちろん、がん自体はほぼ治っても。後遺症(視覚障害、帯状疱疹後神経痛、しびれなど)や合併症(骨髄抑制など)、GVHD(移植片対宿主病。顔の皮膚障害、肝機能障害など)といった身体の不具合はいろいろとあるのですが、それでも再発の心配、つまり命の心配がなくなるというのは非常に大きなことです。
(仮)の取れた快気祝い、というか、忘年会に、元気に参加できるよう、体調に気をつけて過ごしていきたいと思います。