ブログが自分の役に立った話と、Googleアルゴリズムアップデート(医療情報)の話

先日の通院日の件を、前回のブログ記事(下記)に書きました。
▼病院で2回もほめられて照れ隠しした話
看護外来前にスタバにて


この日、もう一つ書いておきたいことがあったので、改めてこの記事にて。

森先生に相談したこと

移植後長期フォローアップ外来のときに、一つ森先生に相談したことがありました。
というのも、発熱していた前回の湯淺先生の診察以降、ひどい下痢が続いていたのです。
ひどい下痢というのは、「完全に水」ということです。パーフェクトウォーターです。
うちの奥さんからは、

「抗生剤は下痢の原因になるみたいだね。抗生剤は細菌を殺すので、それで腸内細菌のバランスが崩れるんだって」

と言われていました。
それもあり、この日の長期フォローアップ外来の前に、ネットで調べてみることにしました。

ネットで抗生剤の副作用を検索

僕が飲んでいた抗生剤の名前は「オーグメンチン」です。そのオーグメンチンの副作用で下痢になることがあるのかどうか、

「オーグメンチン 下痢」

というキーワードでGoogleで検索してみたのです。
すると、医師や薬剤師向けの専門サイトなどに混じって、役に立ちそうなブログがヒットしました。
▼抗菌薬と腸内細菌のバランスとお腹の調子|オーシャンブリッジ高山のブログ
僕のブログでした(笑)
去年の2月の、主治医の山本豪先生の診察の記事です。
改めてこの記事を読んでみると、下記のように書いていました。下痢の原因についての山本先生からの説明内容を書いた箇所です。

そしてさらに、抗菌薬の影響で、腸内細菌のバランスが崩れているということもあるかもしれないとのこと。先週、発熱のために処方された抗菌薬のオーグメンチンが悪さをしているかもしれないということです。(中略)オーグメンチンのお陰で熱は下がりましたが、腸に影響が出たということで、まさに薬の副作用です。

1年半前にこんなことを書いていたなんて、すっかり忘れていました(笑)

闘病ブログは患者の役に立つ

話は戻って、この日の長期フォローアップ外来。
診察のときに、森先生と移植コーディネーターの成田さんに、この経緯を話して、オーグメンチンをやめたと報告しました。
そしてお二人に、こう言ってみました。

「ブログって役に立つんですね」

森先生も成田さんも笑っていました。
でも改めて、闘病記をつづるブログは人の役に立つということを、一患者として認識しました。自分で書いたブログではありますが。でもこの記事が役に立つ患者さんは、きっと僕以外にもいることでしょう。

Googleのアルゴリズムアップデート

一方で、最近のGoogleのアルゴリズムのアップデートでは、医療系の情報に関して、病院などの医療機関や、医師などの医療関係者などが発信するサイトを、「信頼性が高い」として検索結果上位に表示し、個人が発信するブログなどは「信頼性が低い」として検索順位を下げるというのが大きな流れになっています。
この僕のブログは、従来は信頼性が高いサイトとGoogleには評価されていたようで、脳腫瘍悪性リンパ腫白血病に関連するキーワード(検査方法の名前や薬の名前など)で検索すると、検索結果の上位に表示されていました。
しかし、最近(2019年9月下旬)のGoogleのアルゴリズムアップデートで、信頼性が下がったようで、大幅に検索順位が下がり、ブログのアクセス数そのものも大きく減少しました。

検査の名前で検索すると

例えば、以前は、「骨髄穿刺」(白血病の検査の名称)で検索すると、下記の記事が検索結果の1位に表示されていました。僕のブログ記事です。
▼入院2日目に骨髄穿刺(マルク)を受ける:白血病・悪性リンパ腫闘病記(7)
でも今は、この記事は検索結果の3ページ目まで行かないと出てきません。そこに至るまでは、医師や看護師向けの情報サイトや、医薬品・医療機器・医療器具メーカーのサイトなど、医療従事者向けの情報ばかり出てきます。
つまり、Googleが「信頼性の高い」サイトを優先している結果、患者向けではなく、医療従事者向けの情報が検索結果上位に表示されています。(ほぼ唯一の例外は、国立がん研究センターの「がん情報サービス」)

患者にとって必要な情報は?

でも、病気に悩む患者にとっては、必ずしも医療機関や医師が発信する、ある意味で「フォーマル」な医療情報だけではなく、患者の個人の経験に基づく「インフォーマル」な闘病記などのほうが役に立つときもあります。
「明日、骨髄穿刺という検査をやります」と医師から言われた患者さんは、医師向けに書かれた「骨髄穿刺のやり方や注意点」ではなく、どれくらい痛いのか、どのくらいの時間で終わるのかなど、「実際に骨髄穿刺を経験した患者の声」が知りたいはずです。
でも現状では、Googleで「骨髄穿刺」で検索して上位に表示されるのは、医療従事者向けの情報が中心です。
Googleにとって、医療情報の利用者は誰なのか。医療従事者なのか患者なのか。そういう問題になっています。

ネット上の情報の信頼性

もちろん、医療系の情報を検索したときに、エビデンスの乏しいエセ医療(自由診療の免疫療法など)や高額な民間療法などがヒットしないようにするために、「信頼性」を検索のアルゴリズムに加えることは必要でしょう。
でも、個人のブログは信頼性が低いと一律に判断しているように見える現在のグーグルのアルゴリズムは、どうなんだろうと思ってしまいますね。
個人のブログにも、匿名で書かれている日記のようなブログもあれば、執筆者の身分を明かした上で、正確性を期して書かれているブログもあり、一括りにできないように思います。
・・・と言っても、もはやGoogleは企業というより環境であり、その環境に適応していくしかないんですけどね。
いずれにせよ、これからも患者さんの役に立つような情報発信に努めていきたいと改めて思いました。
それがいろいろな意味で。自分のためにもなりますからね。
参考:ネット上の医療情報については医療ジャーナリストの朽木誠一郎さんがWELQ問題をきっかけに下記の本で問題提起していますね。
▼健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (BuzzFeed Japan Book) | 朽木誠一郎

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