またしてもご無沙汰しておりますが、引き続き元気に暮らしております。
まずは近況から
それにしても時候の挨拶そのままですが、季節の変わり目は本当に体調を崩しますね。
急に寒くなったりすると、熱を出しやすくなります。それほど高熱は出ないのですが、37度前後の微熱が続きます。
それに伴い、帯状疱疹後神経痛の痛みも激化します。鎮痛薬(トラマール)を服用する回数が増え、腎臓への影響が気になります。
また寒くなってくると、その寒さだけでも帯状疱疹後神経痛の痛みは強くなります。その点では辛い季節に入っていくことになりますね。
それはさておき、先月、10月20日に虎の門病院に行ってきました。
10月20日 虎の門病院にて
この日はいつもの血液内科の定期診察と、長期フォローアップ外来での追加の予防接種と検査でした。
血液内科の診察では、いつもの通り、血液検査の結果に基づいて山本豪先生とお話ししてきました。内容は以下の通り。
クレアチニンが上昇傾向にある(1.29→1.35→1.44)。
すぐにどうということはないが経過を見ていく。
Ca(カルシウム)の値が高い(10.2→9.9→10.7)(基準値 8.8〜10.1)。
骨密度が低いために服用してきたエルデカルシトールをやめる。骨密度に関してはしばらく前から別の薬(ミノドロン)を飲んでいるので、それだけで良いと思われる。
血小板は上下はありながらもおよそ増加傾向(144→121→133)(基準値158〜348)。これは良いこと。さい帯血移植後はずっと低いままでなかなか増えなかったので。
そして、血液検査の話の後は次の診察日の予約と薬の処方です。
ここでしばらく前から相談していた診察のサイクルを長くする件をお話ししました。その結果、血液内科はこれまで2ヶ月に1度の診察だったのを、今後は3ヶ月に1度に延ばしていただきました。
現状は体調が安定していることと、処方できる期間が定められている薬をやめる目処がついたことで、インターバルを長くしていただきました。
通院回数が減ると本当に楽になります。特に今は血液内科(白血病)以外に肝臓内科(肝機能障害、食道静脈瘤)、消化器外科(大腸がん)等、定期的に検査や診察を受けている診療科が増えてしまったので、減らせるところは少しでも減らすよう常に先生に相談しています。
長期フォローアップ外来
この日は移植後長期フォローアップ外来もありました。
長期フォローアップ外来については、さい帯血移植から5年経過したことから、5月に卒業しています。
参考記事:▼さい帯血移植から5年経過で長期フォローアップ外来を卒業 – オーシャンブリッジ高山のブログ
卒業はしたのですが、まだ一部、検査と予防接種が残っているため、この日も森先生と移植コーディネーターの成田さんの診察を受けてきました。
その残っている検査というのが、骨密度検査です。僕はさい帯血移植の影響で骨密度が下がっており、実際に背骨を圧迫骨折もしてしまっています。その骨密度を上げるため、しばらく前に新しい薬(ミノドロン)を飲み始めています。その効果を見るために、この日骨密度検査を受けて、結果を聞いてきました。
結果としては、骨密度の値は普通の人よりは低いけれども、ギリギリ基準値の範囲内、という感じでした。これまでと状況はあまり変わらずですね。
これについては、上記の通り、カルシウム値の上昇により別の薬をやめることになったので、引き続き経過を見ていくことになります。
また、これまでに長期フォローアップ外来等で打った予防接種の結果、抗体ができているかどうかも見ていただきました。以前山本先生の外来で打ってもらった帯状疱疹ウイルス(つまりヘルペスウイルス)のワクチン接種についても、血液検査を見ると、しっかり抗体はできていました。
これは大事なことです。今でも帯状疱疹後神経痛の激痛には日々悩まされているというのに、万が一にもまた感染して別の場所に帯状疱疹後神経痛を発症するようなことになると、平穏に日常生活を送るのは難しくなる気がします。今でも十二分に大変なのに。
造血幹細胞移植を受けると免疫力が下がり、ウイルスに感染しやすくなると同時に、予防接種を打っても抗体ができにくくなるのですが、帯状疱疹ワクチンについてはちゃんと抗体ができていたということで、一つ安心材料です。
そして今回は、これから冬に向かうということで、インフルエンザワクチンもお願いして接種してもらうことにしました。
ここまでで長期フォローアップ外来は終了。そして今回で森先生と成田さんの診察は本当に終わりということで、一緒に来てくれた妻と二人で、先生たちにお礼の言葉をお伝えし、簡単なプレゼントをお渡ししました。
妻としても、移植から5年が経ってフォローアップ外来から卒業、というのは僕とはまた違う感慨があるようでした。特に移植コーディネーターの成田さんには移植前の家族を含めた説明のときからお世話になって、家族の心構えなどを教えてもらい、支えてもらったという思いがあるようで、森先生も含めて直接自分でお礼をしたいということで久しぶりに一緒に病院についてきてくれました。二人で先生たちにお礼ができて、これで一区切りとなりました。
森先生や成田さんとは、今後も患者会の「虎の門13会」でお会いしましょうとお話ししてきました。
参考記事:▼虎の門13会に参加、患者と医師との退院後の交流の意義/皮膚のGVHDと紫外線対策 – オーシャンブリッジ高山のブログ
残念ながらコロナ禍でしばらく開催できていない13会ですがこの冬の会も中止との連絡が届きました。通常は年2回の開催です。
来年にはもう少しコロナへの社会的対応が進み、こうした有意義な集まりについてはいろいろ心配することなく開催できるような世の中になっていてほしいと思います。
診察が終わった後は、処置室で予防接種を打ってもらいました。処置室では、こちらももう何年もお世話になっている看護師の上原さんにお会いできました。
9年前の悪性リンパ腫の治療から退院してから、家で熱を出して予約外で病院に行くと、内科処置室でインフルエンザ感染の検査をしてくれたり、血液培養検査の採血をしてくれたり、抗生剤の点滴を打ってくれたりした看護師さんたちの一人が上原さんです。
5年前の、急性骨髄性白血病が見つかった山本先生の外来診察後のマルク(骨髄検査)の時にもお世話になりました。その検査の数日後に山本先生から携帯に電話があり、急性骨髄性白血病が告知されました。忘れられないマルクでした。
ブログ読者の患者さんから声をかけられる
処置室での注射が終わり、外に出たところで、初対面の方から声をかけられました。Aさんという白血病患者の方でした。僕が妻と一緒に診察室から出てきて、僕だけ処置室に入っていくのを見て、先に妻に声をかけてくださっていたようでした。
Aさんは、2年ほど前に白血病が見つかり、どこの病院で治療を受けるか調べているときに、僕のブログを見つけて、もともと候補の一つに挙がっていた虎の門病院で治療を受けようと決断されたとのこと。僕のブログが背中を一押しすることになったようです。
その結果、しっかり納得した上で、虎の門病院でさい帯血移植を受けられたとのことです。
Aさんは、涙を浮かべながら、たくさんの感謝の言葉をくださいました。
こうして病院でブログや著書(治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ)の読者さんから声をかけられたのは久しぶりだったこともあり、逆に僕も感激してしまいました。ブログに自分の病気の経験を残しておくと、将来、同じ病気にかかった患者さんの役に立つ、というこのブログに書いている闘病記の本来の意義を、僕自身が再認識させてもらいました。
正直に言うと、ブログに闘病記を書くと言うのは、暗闇に向かってパンチを繰り出しているような感じというか、なかなか手応えを感じられないんですよね。
アクセス分析を見て、このページが何人のユーザーに見られている、という数字は分かるんですが、それは数字に過ぎなくて、生身の患者さんを感じることはもちろんできないわけですね。本当に世の中の役に立っているのだろうか?という疑念が拭えないわけです。
そうした中、こうして実際にブログが役に立ったと言う読者さんにお会いして、その肉声を聞けるというのは、本当に貴重な、本当にうれしい機会です。
目の前のこの人の人生の選択に、自分が多少でもいい影響を与えることができたんだ!と僕自身も前向きな気持ちになれます。本当に、ブログを書いていてよかった!と思えます。
Aさん、わざわざ声をかけてくださって本当にありがとうございました。
Aさんはその後、このブログの連絡先欄にあるアドレス宛にメールもくださって、病気が見つかった当時の状況をいろいろ教えてくださいました。このように、同じ病気の患者さんとつながれるのも、僕にとってのブログのうれしいメリットです。これも再認識しました。
忘れられない一日に
ということで、長期フォローアップ外来が一区切りとなり、そしてAさんとも出会えた、とてもよい、そして忘れられない一日となりました。
前述のような背景もありまして、なかなかブログの更新が滞ったりもしておりますが、基本的に更新をやめるつもりはありませんので、インターバルが空きつつも、忘れずに更新は続けていきたいと思っています。
引き続きオーシャンブリッジ高山のブログをよろしくお願いいたします。m(_ _)m