昨日の夕方、虎の門病院から携帯電話に着信がありました。
ちょうどいま執筆している2冊目の著書の原稿で、
「病院からの電話は悪い知らせが多い」
という話を急性骨髄性白血病の告知の際のエピソードとして書いていたこともあり、恐る恐る携帯を取りました。
虎の門病院 肝臓内科の先生からの電話
オペレーターさんが出て、「肝臓内科の藤山先生に替わります」とのこと。
僕は今週の月曜日に虎の門病院でCT検査を受けています。その結果を受けての電話だろうと分かりました。
白血病の移植治療で肝臓に拒絶反応
肝臓については、2017年に急性骨髄性白血病で臍帯血移植を受けて以降、GVHD(移植片対宿主病、移植した造血幹細胞が患者の体の臓器を攻撃する、いわば造血幹細胞の拒絶反応)が出ています。
具体的には、肝臓に広く結節性再生性過形成(NRH)という良性腫瘍ができていて、それが原因で門脈血栓が起き、その結果、肝臓に入るべき血液が食道の静脈に逆流して食道静脈瘤ができています。
良性腫瘍か、肝臓がんか
この良性腫瘍は、当初、良性か悪性か(つまり肝臓がんかどうか)、MRIやCTの画像診断では診断がつかず、食道静脈瘤の処置で入院した際に生検を受け、良性だとの確定診断がつきました。
ただし、これはいずれ悪性化しないとも限らないため、引き続き検査で経過観察をしているところです。
肝臓がんの告知を覚悟
そういう状況だったため、肝臓内科の藤山先生からの電話だと分かったとき、最初に頭に浮かんだのは、「肝臓がん」を告知される可能性でした。
しかし藤山先生が僕に言ったのは、「門脈血栓の再発」でした。
門脈血栓が再発
門脈血栓については、以前、血液をサラサラにする薬のリクシアナを飲んでおり、それにより門脈血栓は溶かされて消えていたのですが、副作用で鼻血が出やすくなり、半年前から薬を中止していました。
しかしそのためにまた門脈血栓ができてしまったようです。そうすると、食道静脈瘤の再発につながってしまう可能性があります。食道静脈瘤は、破裂すると洗面器一杯分も吐血して命に関わる可能性があると言われ、治療するには10日前後入院して内視鏡治療を受ける必要があります。僕はこれまで何度か食道静脈瘤が再発してしまいそのたびに入院しています。
中止していた薬を再開
そのため、取り急ぎ門脈血栓を治療する必要がありますが、幸いにして、リクシアナについては手持ちの在庫が残っていました。
そのため服薬を再開した上で、今後については、もともと予約が入っていた来月の藤山先生の診察で相談することとなりました。
今回、肝臓がんではなかったことは本当によかったです。がん闘病はこれまでの4回でこりごりです。
がんではなく門脈血栓の再発でおさまったことはよかったのですが、でも病気の再発には違いなく、食道静脈瘤の再発にまで行ってしまうとまた入院しなくてはなりません。
なお幸いなことに、6月に定期的な内視鏡検査(胃カメラ)を受けたときには、食道静脈瘤はありませんでした。ただその後、門脈血栓の再発により食道静脈瘤も再発していないとは限りません。
これまでの経験上は、リクシアナを服用すれば、比較的早く効果が出て、門脈血栓は溶けています。今回もそうなることを期待しています。
検査で異常が見つかった場合の病院の対応
また今回は、病院の対応のすばらしさを実感しました。月曜日にCT検査を受け、その結果は来月の診察で聞く予定になっていたのですが、検査直後にすでに先生は結果を確認して、診察を待たずに携帯に電話をくれました。
これは、検査画像を読影した放射線科の先生(検査技師さん?)が門脈血栓の再発を見つけ、それをタイムリーに主治医に通知する仕組みが院内にできていて、その結果、主治医が対応を判断して患者に電話をしたということだと思うのですが、その一連の流れがスムーズにいく仕組みが院内で構築され確実に運用されているということの証左だと思います。
だから月曜日に検査を受けて2日後には主治医から患者に電話が入ったのですから。
その仕組みがきっちり動いているということは、4回のがんを経験し、それぞれの経過観察のために多数の診療科(虎の門病院では血液内科、肝臓内科、消化器外科、呼吸器内科、他に東京女子医科大学病院の脳神経外科)を定期的に受診し検査を受けている患者としては、安心感があります。
久々に自分の中で緊張感が走った病院からの着信ではありましたが、とりあえずはおおごとではなくてよかったです。
なお、電話を受けた際、気が動転していたため、「肝臓内科の藤山です」という先生に対して「ああ藤山さんですか、いや藤山先生ですか」と間違えて言い直してしまいました。。。
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